デンマーク電力大手オーステッドの米国子会社オーステッド・オフショア・ウィンドは7月28日、米国での洋上風力発電所建設推進に際し、地元の漁業関係者との緊密な協議を実施していくことをコミットする計画を発表した。十分なコミュニケーションが発電会社にとって必要と意義を強調した。
オーステッド・オフショア・ウィンドは、米国初の洋上風力発電所となったブロック島洋上風力発電所の事業主体であったディープ・ウォーター。オーステッドが、2019年にディープ・ウォーターを買収し、現社名となった。
【参考】【アメリカ】同国初の洋上風力発電所が運転開始。東海岸ロードアイランド州沖「ブロック島風力発電所」(2017年1月14日)
今回の発表は、同社として漁業関係者と協議していく具体的な実行計画を示したもの。米内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)が勧める「ベストマネジメント実践と緩和措置に関する最終報告書」に基づき策定した。同社は、ブロック島風力発電所での経験と知見と、オーステッドが保有する他国の洋上風力発電所での知見を活かし、今回のフレームワークを策定した。
同フレームワークでは、同社の活動を積極的に影響を与えうる漁業関係者に伝えていき、悪影響を最大限緩和する策と解決策をともに見出していくとした。個別の漁業事業者の課題も解決し、漁業事業者とコミュニケーションをとるための最適なチャネルを構築していくことを定めた。
同社は、漁業業界は複雑で、幅広く業界と協議をするコミュニケーション・チャネルがないことを大きな課題と認識。それでも効率的に漁業関係者との包括的な合意形成をとるためには、新たなフレームワークが必要と指摘した。協議対象には、商業漁業だけでなく、観光漁業までも含めると言及した。
洋上風力発電の建設では、漁業関係者との協議が不可欠。だが、利害が対立しがちなため、洋上風力発電の関係者は、強引に漁業関係者との合意形成を進めていったり、法定最低限度にとどめた不十分なコミュニケーションがトラブルの原因となることもある。オーステッドの方針が、どのように実施されていくか、大きな注目が集まる。
【参照ページ】Fisheries Communication and Outreach Plan
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