米機関投資家団体は8月20日、6月に米労働省(DOL)が発表したESG投資と受託者責任の関係に関する新規制案に対するアンケート集計結果を発表した。大多数が「反対」と回答した。
【参考】【アメリカ】労働省、ESG投資と受託者責任の関係で新規性案発表。PRIは「混乱招く」と批判(2020年7月13日)
発表された新規制案では、確定給付金型の企業年金基金に対し、リスク調整後リターンを向上させる場合のみESG投資を許容することを明確にするとともに、同等のリスク調整後リターンが期待される他の純粋財務投資(truly economically "indistinguishable" investments)と比較し、ESGファクターを考慮したほうがリスク調整後リターンが上がることを証明する特別な報告書作成を義務化するとしている。
これに対し、今回、米国のESG投資推進機関US SIFが、機関投資家と個人投資家の双方に対しアンケート調査を実施。個人投資家の回答数8,337件のうち96%が、機関投資家からの回答229件のうち94%が「反対」と回答した。
反対理由としては、ESG投資のほうが投資リターンが低くなる懸念を前提とした制度設計は事実に則していないとの声が大きく、むしろ重大なESG課題を分析した上で投資意思決定するESG投資手法がフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)に則するものだとの意見が出た。そのため、ESG投資手法にだけ、特別な報告書のような負荷をかけることに反対を表明した。
また新規制案では、確定拠出年金基金が、ESG投資型のファンドをデフォルトにすることを禁止たことについても、同様にESG投資はリターンが低いという間違った前提に立っていると反対が多かった。
【参照ページ】US SIF, Investor Organizations And Financial Industry Firms’ Analysis Of Public Comments On Department Of Labor ESG Proposal Shows Landslide Of Opposition
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