ドイツとスウェーデンの両政府が、グリーンボンド国債の発行準備に入っている。スウェーデン財務省は200億スウェーデンクローナ(約2,400億円)、ドイツ連邦財務省は120億ユーロ(約1.5兆円)のグリーンボンド国債を発行する予定。欧州では、ポーランド、フランス、ベルギー、リトアニア、アイルランド、オランダ、ハンガリーがすでにグリーンボンド国債を発行しており、欧州内での発行はかなり浸透してきた。
先に発表したのがスウェーデン財務省。6月4日、「グリーンボンド・フレームワーク」を発表し、CICEOからセカンドオピニオンを取得した。資金使途は、「再生可能エネルギー・省エネ」「汚染予防・汚染管理」「自然資源マネジメント・土地利用変化」「陸上と海洋の生物多様性保護」「クリーン輸送」「水と排水マネジメント」の6つを定めた。
スエーデン政府の適格資金使途の予算規模は、2019年の国家予算で150.6億スウェーデンクローナ、2020年予算で150.1億スウェーデンクローナで、発行上限を307億ユーロと試算。最終的に200億スウェーデンクローナの発行で落ち着く見通しとなっている。
続いてドイツ財務省は8月27日、年限10年のグリーンボンド国債を60億ユーロ発行する考えを表明。さらに今年中に追加で60億ユーロを追加発行し、合計で120億ユーロのグリーンボンド国債を発行すると発表した。セカンドオピニオンはISS ESG。
ドイツのグリーンボンド国債の資金使途は、輸送、国際協力、研究・イノベーション・啓蒙、エネルギー・工業、農業・林業・景観の5分野を定めた。
さらにドイツ連邦財務省は今回、「ツイン・ボンド」という新しいコンセプトでグリーンボンドを発行する意向を表明した。ツイン・ボンドでは、グリーンボンド国債の発行と同時に、同条件の通常国債を発行。グリーンボンド国債の購入者に対し、いつでも通常国債への転換を可能にする条件をつける。
ツイン・ボンドは、債券の価格を高く維持するために用いられる。一般的に発行額が小さく、市場規模が小さいグリーンボンドは、通常債権に比べて流動性が低く、理論的にはディスカウントが働きやすい。しかし、今回ツイン・ボンドとし、いつでも通常国債に転換できるようにすることで、流動性分の価格げ下げ圧力を回避するという狙いがある。
【参照ページ】The green bond framework
【参照ページ】Green German Federal Securities
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