シンガポール労働者は8月27日、外国人就労ビザの最低賃金を9月1日から大幅に引き上げると発表した。新型コロナウイルス・パンデミックで国内での失業率が上がっている機に、高額所得の専門職については外国人の雇用を確保しながら、中額所得の雇用をシンガポール国民に振り向けさせる狙いがある。
シンガポールの代表的な就労ビザには、高度専門職向けのEPビザと、中技能熟練労働者のSビザの2種類があるが、今回は双方ともに最低賃金の引き上げを実施する。
まずEPビザでは、2017年に設定した月給3,600シンガポールドル(約28万円)、から5月に3,900シンガポールドル(約30万円)に引き上げたばかりだが、さらに9月からは4,500シンガポール(約35万円)にまで引き上げる。また、最低賃金については年齢や職務経験等によりさらに段階的に設定されているが、各最低賃金も今回の改訂に伴い引き上げる。さらに、12月1日からは金融業では最低賃金を5,000万米ドル(約39万円)にすることを定め、同国として初めて業種別の最低賃金の導入に踏み切る。いずれも既存の就労ビザ保有者には、2021年5月以降の更新から適用される。
Sビザの最低賃金では、2019年1月に2,300シンガポールドル(約18万円)、2020年1月に2,400シンガポールドル(約18.5万円)と上がってきたが、10月1日からは2,500シンガポールドル(約19万円)となる。既存の就労ビザ保有者には、2021年5月以降の更新から適用される。但し、事前に予告されていたサービス業、建設業、港湾業等のビザ発給上限数引下げについては今回は見送った。
またEPビザとSビザの発給申請では、雇用主がシンガポールの専門職、管理職、技術職の雇用にも積極的か否かを重点的に考慮することも表明した。
【参照ページ】Tightening of Work Pass Requirements
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