Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【国際】CDP、アパレル業界の水系汚染問題で特別レポート発表。課題把握実施は欧米大手7社のみ

 環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは9月14日、小売企業を含むアパレル業界での水系汚染を対象にした特別レポートを発表した。サプライチェーン上の水系汚染を認知している企業は全体の11%しかなく、アパレル繊維のマイクロプラスチック汚染問題に至っていは1社しか言及していないと大きな課題感を示した。

 今回発表のレポートは、アパレル・小売大手136社を対象に、CDPウォーターへの回答書を分析した結果を示したもの。136社のうち、2019年にCDPウォーターに回答した企業は62社で半数を下回っていた。日本企業では、ファーストリテイリング、アシックス、豊田通商、日清紡ホールディングス、ドン・キホーテ・ホールディングス、ビックカメラ、シチズン時計と、他3社が調査対象となった。一方、イオン、青山商事、三越伊勢丹ホールディングス、J.フロント リテイリング、丸井グループ、ニトリホールディングス、良品計画、セブン&アイ・ホールディングス、しまむら、東洋紡、イズミは回答しなかった。

 アパレル業界は、紡績、染付、洗浄等で大量の水を使う業界で、深刻な水系汚染を引き起こしている業界の一つ。今回のCDPウォーターの回答では、62社のうち、バリューチェーン上の水リスクアセスメントを実施している企業は43社で、さらに13社のみが水汚染課題を自覚していた。さらに水汚染が物理的リスクとなることを自覚している企業はわずか7社だった。

 またアパレル業界では、紡績、染付、洗浄以外にも、原材料生産過程でも大量に水を消費しているが、原材料過程での実質的な水リスクについて報告した企業も5社にとどまった。さらに製品販売後の使用や廃棄の段階での実質的な水リスクを報告した企業は0社だった。

 それでも先進企業としては、H&M、インディテックス、ケリング、GAP、バーバリー、ウールワース、ヘインズブランズの7社は、原材料生産から廃棄までのバリューチェーン全体での水系汚染問題について情報開示を実施。またH&Mは、化学繊維によるマイクロプラスチック問題についても言及していた。
 
 今後の対策では、汚染削減への投資を挙げた企業が6社、バリューチェーン企業へのエンゲージメントを挙げた企業が4社、サプライヤー基準の厳格化を挙げた企業が4社と非常に少ない状況だった。

 CDPは今回のレポートを踏まえ、アパレル業界に対し、水系汚染問題を自覚するとともに、リスクマネジメントを積極的に進めるよう促した。

【参照ページ】Just 1 in 10 fashion companies show awareness of water pollution across whole value chain

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。