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【日本】三菱重工、洋上風力設備合弁MHIヴェスタス株式をヴェスタスへ売却。国産風力メーカー終焉

 三菱重工業は10月29日、ヴェスタスとの洋上風力発電設備合弁会社MHIヴェスタス・オフショア・ウィンド(MHIヴェスタス)について、三菱重工業が保有していた50%の全株式をヴェスタスに売却すると発表した。三菱重工業は替わりにヴェスタスの株式2.5%を取得する。ヴェスタスは2.5%の株式を新規発行し、今回の株式交換のディールは7億900万ユーロ(約870億円)。

【参考】【国際】風力発電メーカーランキング、ヴェスタスとシーメンスガメサが上位。中国企業も席巻(2020年5月31日)
【参考】【エネルギー】世界の風力発電導入量と市場環境 〜2017年の概況〜(2018年2月20日)

 三菱重工業は、かつては風力発電メーカーとして世界の10位以内に入る大手だったが、日本での低炭素・脱炭素化の動きが遅れたことと、海外市場で欧米や中国の競合企業におされ、単独での生き残りが厳しくなり、新規販売を停止するまでに至った。しかし、大型化の技術が羨望されていた洋上風力発電の分野では同社の技術に価値はあり、生き残りをかけ、2014年にデンマークの陸上風力発電設備大手ヴェスタスとの折半合弁でMHIヴェスタスを設立。その際、三菱重工業側の出資主体となったMHI Holding Denmark(MHD)には、国際協力銀行(JBIC)も1.32億ユーロを出資する契約を締結し、日本政府も合弁設立を支援していた。

 三菱重工業は、MHIヴェスタス設立のタイミングで、2016年にはコールオプションを行使し、出資比率をMHD51%、ヴェスタス49%とする予定としていたが、結局は2016年に行使しないことを決め、折半合弁のまま続けていく道を選んだ。その後も、洋上風力発電の分野でMHIヴェスタスは、国際的に大きな存在感を示し、国内初となる秋田市・能代市沖合の洋上風力発電でも同社の4.2MWタービンの33基導入が決まっていた。しかし、海外では8MWや10MWという大型の洋上風力発電タービンがGEやシーメンスから登場し、技術的にも競争力が懸念されていた。

 ヴェスタスは、今回、MHIヴェスタスを完全子会社とした後、販売、技術、製造、調達でヴェスタスとのシナジーを強め、顧客関係の強化、コスト削減、ヴェスタス文化のMHIヴェスタスへの導入を進めると発表した。

 一方、三菱重工業は、日本での陸上・洋上風力発電機の販売を目的とした合弁会社をあらためてヴェスタスと設立すると発表。また「ヴェスタス社は、三菱重工の協力のもとで、日本の市場規模の拡大とコスト競争力が許せば、アジア地域向けサプライチェーン及び日本での生産の確立を図る」とした。ヴェスタスとの間でグリーン水素分野での共同開発も進めたい意向。

 MHIヴェスタスの単体ベースの業績は、2020年の連結売上高は約14億ユーロ(約1,700億円)。EBITマージンは約4%となる見込み。 

【参照ページ】ヴェスタス社と三菱重工業が持続可能なエネルギー分野におけるパートナーシップを強化
【参照ページ】CORRECTION: Vestas to acquire offshore business in joint venture

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