環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省の4省は1月26日、2019年5月に策定した「プラスチック資源循環戦略」に基づき、持続可能なバイオプラスチックの導入を目指した「バイオプラスチック導入ロードマップ」を策定した。
日本では、バイオマスプラスチックと、生分解性プラスチックの双方を含めて「バイオプラスチック」と呼称しており、今回の戦略も双方を対象としたものとなっている。今回、課題として、商用化に適した製造技術等が実証されていないことや今後の需要見通しが不透明であるため、製造量増加に向けた製造設備の整備が進んでいない供給側の問題や、高価格、品質低下の問題を指摘。
また、生分解性プラスチックでは、日本では、適切な分別ができなければリサイクルの阻害要因となることや、堆肥化等で肥料に混入すれば肥料生産の阻害要因となることも挙げた。農業用マルチフィルムについては課題が少ない。
同様に、バイオマスプラスチックでは、土地利用変化による環境悪化や、原料生産や製品製造等でのサステナビリティ課題についても問題となるとした。
そこで、同ロードマップでは、持続可能なバイオプラスチックを標榜。まず無駄なプラスチックの削減を第一とし、その上でバイオプラスチックについては双方のライフサイクルでの環境負荷低減効果を考慮すべきとした。原料でも、食料及び飼料の安定供給確保に支障のないよう考慮し、サプライチェーンでの協働によるコスト削減を目指すとした。品質では、化石燃料由来のプラスチックと同等の汎用品の開発・導入を目指す。
リサイクルに向けては、分別しなければならないことを考慮。その中でも、生ごみを堆肥化・バイオガス化等により処理を行っている場合には、分解環境に適した生分解機能を持ったプラスチックを生ごみ袋に使用する方法と、農業用マルチフィルムについては、ピンポイントのでの提言も行っている。
今回の発表では、2025年までの大まかな施策を提示。持続可能性を考慮した認証・表示の仕組みの検討も盛り込んだ。バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックのどちらが適しているかも用途別にまとめた。その他、バイオプラスチック導入目標集や事例集もつけた。
【参照ページ】「バイオプラスチック導入ロードマップ」の策定について
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