国際医薬品アクセス向上NGOの医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)は1月27日、発展途上国での医薬品へのアクセス改善に関する実践や貢献度を評価したランキング「医薬品アクセスインデックス(ATMインデックス)」の2021年結果を発表した。発表は概ね2年毎で今年で7回目。首位はグラクソ・スミスクライン(GSK)。
同インデックスは、研究機関をもつグローバルな最大手医薬品メーカー20社が対象。対象企業は、ロシュ、ファイザー、ノバルティス、独メルク、米メルク・アンド・カンパニー(MSD)、サノフィ、グラクソ・スミスクライン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アッヴィ、ギリアド・サイエンシズ、イーライリリー、アストラゼネカ、ブリストル・マイヤーズスクイブ、ベーリンガーインゲルハイム、バイエル、ノボノルディスク、武田薬品工業、エーザイ、第一三共、アステラス製薬。
医薬品アクセスは、国連持続可能な開発目標(SDGs)やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を2030年までに達成するという国際目標がある。同インデックスでは、発展途上国106ヶ国での緊急度の高い疾病77分野への対策状況をスコア化している。2021年版は大きなメソドロジーの変化があり、「アクセスのガバナンス」「R&D」「製品デリバリー」の3つの観点から設問が合計33に集約された。比較可能性を重視した。
ATMインデックス 2021
- グラクソ・スミスクライン(4.23)
- ノバルティス(4.18)
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(3.76)
- ファイザー(3.65)
- サノフィ(3.47)
- 武田薬品工業(3.31)
- アストラゼネカ(3.30)
- メルク(3.09)
- ロシュ・ホールディング(3.07)
- ノボノルディスク(2.96)
- エーザイ(2.87)
- ベーリンガーインゲルハイム(2.84)
- バイエル(2.63)
- アステラス製薬(2.33)
- ギリアド・サイエンシズ(2.33)
- メルク・アンド・カンパニー(MSD)(1.88)
- 第一三共(1.80)
- アッヴィ(1.73)
- イーライリリー(1.59)
- ブリストル・マイヤーズスクイブ(1.55)
今年の特徴は、前回2018年版の上位企業のスコアがさらに上がり、下位企業は低迷。スコアの差が大きくなった。日本企業では武田薬品工業が上位に食い込んでいるが、エーザイは中位止まり。第一三共とアステラス製薬は下位に甘んじ、上位との差が大きく開いてきている。
同インデックス分析に含まれる757の市販製品のうち75%が医薬品。これらの製品の半数以上が非感染性疾患を対象としており、蛇咬傷やトラコーマ等の顧みられない熱帯病(NTDs)を対象としている製品はほとんどないという。20社のうち大多数は、世界保健機関(WHO)の必須医薬品モデルリスト(EML)に入っている医薬品で一つ以上特許を持っている。
【参考】【国際】医薬品アクセスインデックス2018、武田薬品工業が5位に躍進。首位GSK(2018年12月1日)
【参照ページ】Progress continues, yet access to many products still goes unaddressed
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