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【日本】金融庁、コーポレートガバナンス・コード改訂案公表。国際ESG評価の要請事項を意識

 金融庁は3月31日、スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議の中で、コーポレートガバナンス・コードの改訂案を公表した。サステナビリティ関連の取締役会ガバナンス強化が柱で、外資系のESG評価機関のガバナンス評価基準を意識した内容となった。

 今回の案は、2020年12月に同会議から提示された意見書「コロナ後の企業の変革に向けた取締役会の機能発揮及び企業の中核人材の多様性の確保」に基づくもの。

 まず、「サステナビリティ」に関する課題を提示していた原則2−3について、補充原則を「取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきである」といっきに踏み込んだ。

 また、女性活躍に関する原則2-4でも、補充原則で「上場会社は、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況を開示すべきである。また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針をその実施状況と併せて開示すべきである」と掲げた。

 さらに情報開示に関する原則3-1では、現在、東京証券取引所が上場市場の再編を進める中で最も上位の市場とする「プライム市場」では、「開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである」と明言。そのうえで、「気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである」とし、プライム市場には、気候変動情報開示を要求する内容になる。

 加えて、プライム市場の上場企業については「独立社外取締役を少なくとも3分の1以上選任すべき」とし、現在の「2名以上」からバーを上げた。また、支配株主がいる上場企業に関しては、プライム市場では過半数以上、その他の上場企業では3分の1以上の独立社外取締役を選任すべきとした。さらに、プライム市場では、指名委員会や報酬委員会の構成員の過半数を独立社外取締役とすることを基本としつつ、その委員会構成の独立性に関する考え方・権限・役割等を開示すべきとした。

 少数株主の保護については、Zホールディングスとアスクルの一件も踏まえ、「支配株主は、会社及び株主共同の利益を尊重し、少数株主を不公正に取り扱ってはならないのであって、支配株主を有する上場会社には、少数株主の利益を保護するためのガバナンス体制の整備が求められる」とした。さらに、さらに、支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行うため、独立社外取締役を含む独立性を有する者で構成された特別委員会を設置すべきとも打ち出した。

【参照ページ】コーポレートガバナンス・コードと投資家と企業の対話ガイドラインの改訂について(案)
【参照ページ】コーポレートガバナンス・コード(改訂案)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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