米航空大手ジェットブルーは7月12日、ロサンゼルス国際空港で、ワールド・エナジーから持続可能なジェット燃料(SAF)を調達する契約を締結したと発表した。ジェットブルーは、ロサンゼルス国際空港でのSAF使用を7月から開始しており、今後3年間で年間150万ガロンの混合SAFを調達する予定。同社の同空港での使用燃料の約5%を占める。
同社は、2040年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を目標として設定しており、今回のアクションもその一環。同社は2020年8月、米国航空大手で初めて、米国国内線全便でのカーボンニュートラルをカーボンオフセットを活用して達成済み。さらにSAFを通じた排出量そのものの削減を図る。
【参考】【アメリカ】ジェットブルー、同国初の国内線全便のCO2オフセット完了。コロナ禍でも完遂(2020年8月14日)
ワールド・エナジーのSAFは、非可食部の農業廃棄物を原料としており、持続可能なバイオマテリアル円卓会議(RSB)認証も取得。石油由来のジェット燃料と比べ、二酸化炭素排出量を最大80%削減できる。同社の燃料は、カリフォルニア州パラマウントの工場で生産され、ジェットブルー燃料管理子会社ワールド・フューエル・サービスがロサンゼルス国際空港に運ぶ。ワールド・エナジーのSAFを定期便運航で通常使用するのは同社が米国で2社目。
同社の二酸化炭素排出量削減では、2030年までにフライトからの二酸化炭素排出量を原単位で座席マイル(ASM)当たり2015年比25%減。2030年までにジェット燃料全体のSAF利用率を10%にする。地上サービス車両でも、2025年までに3車種を40%化、2030年までに50%EV化する。
また、ジェットブルーは7月13日、電動垂直離着陸機(eVTOL)開発の米ジョビー・アビエーション、米シグニチャー・フライト・サポートと協働し、電動航空機や水素燃料航空機を活用することでのカーボンクレジットの創出を目指すと発表した。通常のジェット燃料航空機との排出量の差分を、カーボンクレジット化することを検討する。2021年後半にスキーム確定の目処をつけたいとしている。
ジョビー・アビエーションは、電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発を進めており、2024年に実用化する計画を進めている。航空世界大手米アメリカン航空も6月、電動垂直離着陸機(eVTOL)開発の英バーティカル・エアロスペースへの出資を発表している。
【参考】【アメリカ】アメリカン航空、電動垂直離着陸機開発バーティカル・エアロスペースに出資。250機購入(2021年6月15日)
【参照ページ】JetBlue Expands Use of Sustainable Aviation Fuel as Part of its Strategy to Achieve Net-Zero Carbon Emissions by 2040
【参照ページ】Joby Aviation, JetBlue and Signature Announce Pathway to Utilization of Electric and Hydrogen Aviation Credits
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