米航空大手ジェットブルーは8月13日、国内線全便での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現したと発表した。米国内のフライトを全てカーボンニュートラルにしたのは同社が初。カーボンオフセットを活用した。
同社は1月、7月から国内線全線をカーボンニュートラルにすると宣言。その後、新型コロナウイルス・パンデミックが航空会社全体を襲う形となったが、同社は宣言したカーボンニュートラルについては旗を降ろさなかった。計画通り7月1日から国内線全便でのカーボンオフセットを実行した。
【参考】【アメリカ】ジェットブルー、2020年7月から国内線全線カーボンニュートラル実現。持続可能なジェット燃料利用も(2020年1月11日)
同社のジョアンナ・ジェラティ社長兼COOは、カーボンニュートラルを断行した背景について、パンデミックによって事業の健全性を損なうリスク緩和の必要性が強化され、サステナビリティに向けた当社のコミットメントはむしろ重要性が増したと説明。パンデミックが長期化しようとも、短期及び長期の環境への機会には焦点を当て続けると、同社の環境アクションへの覚悟をみせた。
同社は、カーボンニュートラルに向け、カーボンオフセットを「つなぎ策」とみている。最終的には持続可能なジェット燃料(SAF)への切替を進めており、今回あらためて、サンフランシスコ国際空港発のフライトではSAFを活用していくことを宣言。7月からSAF大手ネステからのSAF調達を開始した。同時に2015年からは本格的な燃費向上にも取り組んでおり、2018年から2019年では1シートマイル当たりの燃費を2.2%改善。燃料費の削減にもつながった。
ジェットブルーの国内線全便全量カーボンオフセットにより、削減できる二酸化炭素排出量は年間70億tから80億t。またカーボンオフセットでは、事業が実際に影響を与える分野を優先し、先進国での大気中への排出量削減によるオフセットを中心に購入する。
同社は2月、BNPパリバからESG総合スコアと連動するサステナビリティ・リンクローン5.5億米ドルも獲得している。
【参考】【アメリカ】BNPパリバ、ジェットブルーにリンクローン提供。ESG総合スコアと連動(2020年3月2日)
【参照ページ】JetBlue is the First U.S. Airline to Commit to and Achieve Carbon Neutrality for All Domestic Flying
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