国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は8月11日、中国企業の海外投資案件で、人権侵害リスクが著しく多く確認されるとする分析レポートを発表した。
同レポートは、2013年から2020年までに、中国企業の海外事業活動に関連する679の人権侵害申立てと、申立てに対する102社の回答を分析した。国別の申立て数は、ミャンマー97件、ペルー60件、エクアドル39件、ラオス39件、カンボジア34件、インドネシア25件の順。これらの国では、中国が主要な投資もしくは貿易相手国となっている。
業種別では、金属・鉱業が236件、建設業が152件、化石燃料エネルギーが118件の順。再生可能エネルギー案件でも87件あった。申立ての内容では、情報開示や環境影響評価の不備が31%、土地権利侵害29%、生計手段の喪失28%、労働者の権利19%、汚染・健康脅威が18%。
申立てに関するBHRRCからの質問の回答率でも、中国企業は著しく低く24%。アジアでは、日本が68%、インド47%、インドネシア41%で、アジア全体の53%と比べても中国企業は低い。中国企業に関しては回答率は5%だった。上場企業の回答率は27%で、非上場企業の回答率18%を大きく上回った。
ミャンマーに関しては、報告された案件は、軍事クーデター前のものが多く、クーデター後にさらに状況が悪化していることを懸念。中国企業と取引をする企業には、人権デューデリジェンスを十分に実施するよう求めた。特に、資源採掘や建設の分野での侵害の疑いが多いという。
再生可能エネルギーに関しては、他の比べ回答率が比較的高く36%。しかし全て水力発電事業からで、太陽光発電や風力発電の事業からの回答はなかった。
【参照ページ】"Going out" responsibly: The human rights impact of China's global investments
【レポート】“Going out” responsibly
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