23ヶ国・地域が加盟する国際会合「ミッション・イノベーション(MI)」は11月9日、最も困難な分野のカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)化を実現するため、新たに4つの画期的な「ミッション」を発表した。
MIは、第21回気候変動枠組条約パリ締約国会議(COP21)の場で有志国が提唱し2015年に発足。現在の加盟国は、日本、米国、EU、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、英国、ノルウェー、カナダ、オーストラリア、中国、韓国、インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、モロッコ、チリ。
今回発表したミッションは「都市移行ミッション」「ネットゼロ工業ミッション」「二酸化炭素除去(CDR)ミッション」「統合バイオリファイナリーミッション」の4つ。米国、インド、サウジアラビア、カナダ、オーストラリア、オーストリア、オランダ、EUが発足を主導した。
まず、都市移行ミッションでは、2030年までに、世界中の都市で50以上の大規模で統合された実証プロジェクトを実施し、すべての都市がネットゼロ・カーボン・ソリューションを採用するための道筋を示す。これにより1万以上の都市が自らの排出量を削減できるようになるという。同ミッションのリーダー役は、欧州委員会、気候変動とエネルギーに関する世界首長誓約、ジョイント・プログラミング・イニシアチブ(JPI)アーバン・ヨーロッパ。
ネットゼロ工業ミッションでは、鉄鋼、セメント、化学の重工業でのカーボンニュートラル化。リーダー役は、オーストリアとオーストラリア。2022年に詳細を発表する。
CDRミッションは、研究開発を推進し、パイロットスケールの試験と展開を促進。リーダー役は、米国、サウジアラビア、カナダ。
統合バイオリファイナリーミッションは、化石燃料を使った燃料、化学物質、材料をバイオベース(植物由来)の代替品に置き換えることで、排出量を削減し、再生可能な代替品を目指す。リーダー役は、インドとオランダ。2022年に詳細を発表する。
MIは11月3日、再生可能エネルギー分野の推進や技術開発に投資する10億米ドル(約1,200億円)規模のファンド「Breakthrough Energy Ventures(BEV)」との間でパートナーシップの拡大も発表している。BEVは9月、支援プロジェクト募集プログラム「ブレイクスルー・エナジー・カタリスト」を発表しており、米国、英国、EUとの間でパートナーシップも締結。これを発展させる形でMIとのパートナーシップを結んだ。
【参考】【国際】ビル・ゲイツら世界の資産家33名、10億ドルの再エネ分野ファンドを共同設立(2016年12月24日)
【参考】【国際】Breakthrough Energy Ventures、支援公募の情報提供要請開始。年内に第1弾公募(2021年10月17日)
【参照ページ】23 Governments announce new Missions to accelerate innovation in clean energy technologies that can decarbonize sectors responsible for 50% of global emissions
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