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【EU】EU理事会、2027年までの共通農業政策を採択。気候、生態系、動物福祉、労働慣行を導入

 EU理事会は12月2日、2023年から2027年までの共通農業政策(CAP)を正式に採択した。EU予算の3分の1を占める農家向け補助金施策のCAPで、気候変動緩和、生物多様性、動物福祉、労働慣行が組み込まれた。今後、EU理事会と欧州議会で関連ルールの改正が行われ、官報に掲載。2021年1月1日までに加盟国は、国別戦略の草案を欧州委員会に提出し、欧州委員会がフィードバック。その後、2023年に発効する流れとなる。

 今回のCAP改革は、欧州委員会が2018年に提案しスタート。2020年10月には、EU理事会と欧州議会が各々のポジションを採択し、さらに9ヶ月間両者間での交渉が行われた。2021年6月に政治的合意に達し、今回ついに3年越しに新たなCAPが正式決定した。

 今回のCAPでは、農家への直接補助金と、農村開発補助金の双方に適用する「戦略計画」を規定した。その中では、各加盟国は、補助金支給に際し、気候変動・環境、公衆衛生・動物疫学・生態系健全、動物福祉の3つの観点を盛り込むことを義務化した。気候変動・環境には、肥料や農薬に関する内容が含まれる。さらに、補助金の制度設計に際し、社会的インクルージョン、基本的権利、ジェンダー平等、無差別を促進するNGOの関与を義務化し、補助金支給に社会的側面が初めて組み込まれた。

 また新CAPでは、パフォーマンス軸アプローチへと転換し、目的として掲げられた環境・社会の観点でのパフォーマンスを測定し、その上で補助金を支払う制度転換も謳った。各加盟国は、毎年パフォーマンス結果を欧州委員会に報告することも義務付けられた。EUとしてもモニタリング体制を整備する。

 2018年にスタートしたCAP改革作業は、2020年の前期間の終了に間に合わず、端境期となる2021年と2022年には、移行期間としての暫定措置が2022年末に採択され、施行されている。

【参照ページ】Council adopts fairer, greener and more performance-based farming policy for 2023-2027

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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