アサヒグループホールディングス傘下のアサヒ飲料は12月23日、人工知能(AI)を活用した新たな微生物迅速検査法「FLOX-AI」を独自開発したと発表した。品質保証のために出荷前に実施する微生物検査で、人工知能(AI)の活用するのは、清涼飲料業界初。2022年以降に自社工場で運用開始し、2024年以降に業界全体への水平展開を見込む。
微生物検査法は、清涼飲料業界で一般的な通常培養法と検査装置を使った迅速検査法の2種類。通常培養法では、微生物の有無の判定に3日から5日程度を要し、最終判定は人間の目視で行うため、時間と労力が課題となっていた。一方、迅速検査法では、1日程度で微生物の有無の判定が可能で、最終判定も自動化できるが、導入・運用コストが高額になる嫌いがあった。
同社開発のFLOX-AIでは、迅速検査法同様、微生物の有無を1日で判定し、最終判定を自動化。微生物検査の所要時間を年間180時間短縮し、導入・運用コストも迅速検査法と比べ70%から85%削減する見込み。
また、アサヒグループホールディングスは12月10日、国内外の同社グループ8社の取締役、監査役、執行役員、本社部長、事業場長等の女性比率を、2030年までに現状の22%から40%以上まで引き上げる目標を掲げた。
同発表と併せ、「ダイバーシティ&インクルージョン ステートメント」を「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)ステートメント」へ更新。公正の考え方を加えた。
今回の女性比率目標の対象となるのは、アサヒグループホールディングス、アサヒグループジャパン、アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品、アサヒヨーロッパ&インターナショナル、アサヒホールディングスオーストラリア、アサヒホールディングスサウスイーストアジアの8社。
同社は目標の達成に向け、DE&I委員会を設置。同委員会は、アサヒグループジャパン社長を委員長とし、取締役、人事部長、アサヒビール社長、アサヒ飲料社長、アサヒグループ食品社長、アサヒグループホールディングス取締役兼CHROで構成する。委員会の開催頻度は、2022年1月から年2回以上を予定。制度・仕組みの見直しや環境整備、風土醸成に向けた討議を行う。
具体的なアクションとしては、DE&Iサポーター制度を導入。国内グループ会社全社員を対象に15名程度を募り、サポーターとして会社への提言、周囲からの意見収集、周囲の理解促進にむけた働きかけを行う。任期は原則1年。
また、昇進昇格要件や評価制度を見直しも実施。性別に関わらず育児・介護等を含め多様なライフスタイルや価値観を尊重し合い、 公平に機会を提供し公正に処遇する制度・仕組みを強化する。男性の育児休業取得目標の設定等も検討するという。
その他には、2022年1月にマネジメント層約900名全員を対象に、無意識の思い込みや偏見に関する研修を実施予定。2023年以降は、新任マネジャーを対象に同研修を毎年1回実施する。また女性社員対象のキャリア研修を実施し、選抜研修等への女性社員の参加率40%まで向上させるとした。2022年5月からは、DE&Iについて意見を交わすワークショップも月1回程度開催する。
【参照ページ】清涼飲料業界初、AIを活用した微生物迅速検査法「FLOX-AI(フロックスアイ)」を開発
【参照ページ】社員一人ひとりが、自分らしく自由に輝くために「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン ステートメント」策定
【参照ページ】アサヒ飲料
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら