国際ジャーナリストNGOの国境なき記者団(RSF)は5月3日、「世界報道自由度ランキング」の2022年版を発表した。首位はノルウェー。日本は71位だった。RSFは2002年から毎年発表。今回は180ヶ国が対象となった。
同ランキングは、ジャーナリストや報道機関の活動の自由度を測定したもの。評価手法は、「政治文脈」「法規制」「経済文脈」「社会・文化文脈」「ジャーナリストの安全」の5つ。
世界報道自由度ランキング
- ノルウェー
- デンマーク
- スウェーデン
- エストニア
- フィンランド
- アイルランド
- ポルトガル
- コスタリカ
- リトアニア
- リヒテンシュタイン
- ニュージーランド
- ジャマイカ
- セイシェル
- スイス
- アイルランド
G7諸国では、ドイツ16位、カナダ19位、英国24位、フランス26位、米国44位、イタリア58位、日本71位の順。アジア諸国では、台湾38位、韓国43位、インドネシア113位、タイ115位、マレーシア119位、シンガポール139位、カンボジア142位、フィリピン147位、ベトナム174位、中国175位、ミャンマー176位、北朝鮮180位。
日本は2021年から4つ順位を落とした。RSFのコメントでは、2012年以降、民族主義的右派が台頭し、多くのジャーナリストが、不信感や敵意を感じているとした。また、記者クラブ制度に関しても、記者の自己検閲を誘発し、フリーランサーや外国人記者に対する露骨な差別を表している主張した。徳兵衛秘密保護法による過度な規制を緩和することを政府が拒んでいることもマイナス要因とした。
他には、日本政府と大企業は、日常的に主要メディアの経営に圧力をかけており、その結果、腐敗、セクハラ、新型コロナウイルスや放射能、公害等、デリケートと目されるテーマについては、激しい自己検閲が行われていると指摘。2020年に、日本政府が新型コロナウイルス感染症対策を口実に、記者会見に招待する記者の数を大幅に減らし、公共放送のNHKを、重大な国家的危機の場合に政府の「指示」に従うべき組織のリストに加えたことも問題視した。日本では、新聞と放送局の相互所有に対する規制がないため、極端なメディア集中が起こっていることも課題とした。
2021年に制定された土地利用規制法に関しても、安全保障上の「注視区域」内での土地等の利用者に対し、最高2年の禁固刑と最高200万円の罰金を科せるようにしたことが、記者が重要インフラの場所に立ち入ることを制限できる内容にもみえるとし、減点要因となった。
【参照ページ】2021 WORLD PRESS FREEDOM INDEX
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