Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【アメリカ】P&G、2030年水戦略発表。生産と消費でウォーターポジティブの実現へ

 消費財世界大手米P&Gは6月9日、2030年に向けた新たな水戦略を発表した。ウォーターポジティブを実現しにいく。

 同社は目下、気候変動、自然、廃棄物、水の4つをテーマとした「アンビション2030」戦略を進めており、今回の水戦略もその一環。気候変動では、スコープ3を含めた2040年カーボンニュートラル、廃棄物では、2030年までに容器・包装を100%リサイクル可能もしくは再利用可能、加えてバージンプラスチックの消費量を50%減を掲げている。自然では、家庭用品の紙パルプで100%認証を取得し、そのうちFSC認証は2022年までに75%、2030年までに100%としている。

 水に関しては、「アンビジョン2030」では、2010年比で2030年までに水消費効率を35%増としていたが、今回一気にウォーターポジティブにまでゴールを引き上げてきた。

 今回発表した新目標は具体的には2つ。まず、水ストレスの高い世界18地域にあるP&Gの製造拠点で、消費された水の量を上回る水を還元し、製品生産でのウォーターポジティブを実現。さらに、水ストレスの高いロサンゼルス大都市圏とメキシコシティ大都市圏で、同社製品を使用する際の水消費量以上の水を還元する。これらの都市圏は、水ストレスの高い18地域の同社製品使用時に消費される水の半分以上を占めている。

 今回の新目標は、国際環境NGO世界資源研究所(WRI)の水プログラムと緊密に連携し、科学的根拠に基づく目標設定と確認済み。水還元では、ユタ州とアイダホ州のベアリバー流域で、ボンネビル環境財団(BEF)のBusiness for Water Stewardshipプログラムと提携して、新たに6つの再生プロジェクトを発表した。同社は他にも2020年にカリフォルニア州サクラメント川流域の8つのプロジェクトと、アリゾナ州のコロラド川インディアン部族(CRIT)システム保全プロジェクトを実施している。これらプロジェクトにより、2030年までに数十億lの水を還元できる見込み。今後さらにプロジェクトを増やしていく考え。同社としては特にイノベーションで協力する。

 また、製品使用での水削減では、食洗機での食器のすすぎ洗いを省略することを奨励。また、分解酵素を含む新たな同社の食洗機用洗剤「カスケード・プラチナ」は、予洗いなしで優れた洗浄力を発揮する。この2つを組み合わせることで、家庭では週に最大100ガロン(約379l)の水を節約することができるという。コンディショナーでも、「パンテーン」と「リジョイス」の両ブランドから、水を使わずに髪を整え、栄養を与えることができる「洗い流さないコンディショナー」を開発している。

 同社は他にも、Children's Safe Drinking Water(CSDW)プログラムを通じ、2025年までに世界中の困っている子どもたちとその家族に、250億lのきれいな飲み水を提供する活動も実施している。

【参照ページ】P&G Unveils New Strategy to Help Address Global Water Crisis

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。