半導体世界大手米インテルは7月13日、同社の事業所がある米国、コスタリカ、インドの3ヶ国で、水消費量以上の真水を水系に還元する「ウォーターポジティブ」を達成したと発表した。
同社は、2030年までに世界全体でのウォーターポジティブ達成が目標。2021年には、世界全体で淡水、再生水、淡水化した海水を合計約600億l使用し、約490億lを周辺コミュニティへ還元した。さらに水系回復プロジェクトを加えることで、進捗状況は99%。米国、コスタリカ、インドでは、先行してウォーターポジティブを達成した形。
同社は、半導体製造プロセス、冷却タワー、データセンター等で水を使用。真水の他、電力会社から購入した廃水も活用している。イスラエルでは海水淡水化も実施。他にも井戸からの取水や、雨水の再利用等も行っている。
取水量と還元量をバランスするには、可能な限り水消費量を節約した上で、廃水を再利用することが重要と分析。製造プロセスの改善と敷地内の水処理施設の設置により、2021年には350億lの節水に成功したという。
水系への還元では、事業活用で影響を受ける流域の水質改善に注力。米アリゾナ州では、同社が資金提供した水プロジェクトを通じ、34億lの水を還元した。例えば同州ベルデ川では、渡り鳥、ハクトウワシ、カワウソ、魚等の生息地である一方、同地域の農業に不可欠な存在で、夏季に灌漑で大量の水消費があることが課題となっていた。
そのため同社は農家に対し、収穫時期が早く水消費量の少ない大麦への転作インセンティブを提供した。さらに地域の製麦工場への投資を行うことで、州外サプライヤーに頼らずに済む体制を実現。大麦栽培から製麦、醸造所への販売までの地域内サプライチェーンを構築することで、取引コストや取水量の削減に成功した。
同社はその他、インド・バンガロールで水再生プロジェクト2つへの資金提供を実施。プロジェクト実施により、同国ダイアバサンドラ湖とナンジャプラ湖で、年間3,800万l以上の水を還元できる見込み。
【参照ページ】Intel Achieves Net Positive Water in 3 Countries
【画像】Intel
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