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【国際】アップル、サプライヤーにカーボンニュートラル要請。吸収プロジェクトも世界各地で開始

 アップルは10月25日、世界中のサプライヤーに対し、カーボンニュートラルを実現するよう要請した。同社はすでに再生可能エネルギー100%での電力調達をサプライヤーに要請していたが、今回カーボンニュートラルにまで要請範囲を拡大した。

 同社は2021年、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル達成すると発表。同社自身はすでに2020年からスコープ1と2でカーボンニュートラルを達成している。

【参考】【国際】アップル、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル達成と宣言(2020年7月22日)

 今回の発表では、サプライヤーに対し、アップル向け製品の生産に関するスコープ1とスコープ2での排出量削減に関し報告を毎年求めていく。報告内容の第二者監査も行う。そのうえで、排出量削減を進めるサプライヤーと協業していくと言及した。また、アップル向け以外の製品でも削減を要請していく。再生可能エネルギーへの転換を最優先事項として挙げた。差再生可能エネルギー100%に切り替えた同社サプライヤーはすでに200社を超えるという。

 アップルは、サプライヤーを支援するため、eラーニングツールと研修機会を無料で提供。サプライヤーが地域のパートナーと密に連携して、再生可能エネルギーと炭素除去のソリューションを導入できるようにしていく。2022年だけですでに150社以上が研修に参加した。今後同社はラーニングツールを無償公開し、同社のサプライヤー以外も活用できるようにしていく考え。

 同社自身でも再生可能エネルギーの発電整備もさらに進める。欧州では30MWから300MW規模の太陽光発電所や風力発電所を多数建設し、年間で3,000GWhの電力を供給する計画。米国とオーストラリアでも新規の建設を進める。

 アップルの端末での充電でも、再生可能エネルギー電力での充電を促進する。すでに米国ではiOS 16の機能の一環で、再生可能エネルギーの発電帯を狙って充電を最適化する「Clean Energy Charging」を導入。また、カリフォルニア大学バークレー校のCoolClimate Networkに参加し、個人の行動変容の研究も進めている。

 炭素除去では、国際環境NGOコンサーベーション・インターナショナル(CI)とゴールドマン・サックスと協働し、ブラジルとパラグアイの3つの優良な林業事業者に出資。持続可能な認証を受けた15万エーカーの作業林を再生し、約10万エーカーの原生林、草原、湿地を保護することを決定した。2025年には二酸化炭素排出量100万tを吸収できる予測。吸収量の監視・報告・検証制度(MRV)では、パートナーと協力して人工衛星画像解析やリモートセンシング技術も導入する。同社は2030年までに75%を削減、残りの25%を自然を軸としたソリューション(NbS)での吸収で実現することを目標としている。

 さらにナミビアとジンバブエでは、世界各地で地域主導型の気候変動対策を進める「Climate Crowd」プログラムを発表。すでにナミビアとジンバブエでは世界自然保護基金(WWF)がパートナーとして選ばれた。同プログラムでは、現地コミュニティと連携し、気候変動に対応した農業から養蜂、雨水利用まで、地域の自然資源の保全と再生を実現できるレジリエンス構築及び代替生計雇用の開拓を進める。クリーンな調理用コンロ等の導入もアクションに含めている。

 同様に中国では、China Green Carbon Foundationと提携し、NbSの研究を行い、ベストプラクティスを示す形で関係者のネットワークを構築中。すでに、四川省では優先地域の特定とマッピングの支援を行い中国各地でも活用できる森林管理のベストプラクティスのガイドラインと手法を開発している。都市部と半都市部での炭素除去では、成都で実証プロジェクトを遂行。こちらも汎用性のあるプロジェクトとして昇華させていく。

 欧州、中東、北アフリカでは、ChangemakerXchangeとパートナーシップを締結し、人材育成にも着手。第27回国連気候変動枠組条約シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)では、欧州から50人、中東・北アフリカから50人のチェンジメーカーとソーシャルイノベーターのグループを支援する2年間のプログラムを始動する予定。

【参照ページ】Apple calls on global supply chain to decarbonize by 2030

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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