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【国際】DHL、ロジスティクス業界分析第6版発表。環境サステナビリティは最優先事項

 独物流大手ドイツポストDHLグループは10月25日、隔年発行のロジスティクス業界トレンド分析レポート「DHLロジスティクス・トレンド・レーダー」の第6版を発表した。世界のロジスティクス業界の今後10年間のトレンド40個を整理。カーボンニュートラル、ロボット、ビッグデータ、サプライチェーンの多様化、代替エネルギーソリューション等が最大の影響を与えると分析した。

 同レポートでは、気候変動による災害や地政学的な影響の顕在化に伴い、レジリエンス向上のためサプライチェーンの多様化に注目が集まっていると分析。複数サプライヤーや複数地域での契約によるマルチソーシングを対応例として挙げた。調査対象企業の76%は、サプライチェーンのレジリエンス確保のため、今後2年以内にサプライヤー基盤に大きな変更を加えることを計画しているとした。

 レジリエンスの高いサプライチェーン構築には、ビッグデータ分析等により過去のパターンを明らかにし、現状の変化をリアルタイムで捉え、将来の予測を行うことが重要と説明。サプライチェーン分野で大きな成果を上げている企業は、膨大な量の非構造化データを迅速に分析できる企業であり、中核的な取引データしか見ていない企業は、可視化の機会を逃していると指摘した。事業の可視化に役立つトレンドとしては、デジタルツインを挙げた。

 また環境サステナビリティは、最優先事項と強調。脱炭素化、代替エネルギーソリューション、サーキュラーエコノミー、環境スチュワードシップ等が大きな影響力を持つトレンドとなるとした。

 カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)型のサプライチェーンについては、多くの顧客が追加料金を厭わない姿勢であるとし、コスト上昇も平均4%以下に抑えることができるという世界経済フォーラム(WEF)の分析結果を示した。また消費者の85%は、過去5年間に「より環境に優しい」購買行動に転換し、65%はライフスタイルを「やや」から「全面的」に転換したと回答しているという調査結果も例示した。

 代替エネルギーでは、2021年にエネルギー転換のための投資総額7,550億米ドル(約110兆円)のうち、36%が電気自動車(EV)輸送への投資だったと分析。サーキュラーエコノミーでは、現状のリサイクル・再利用の割合が8.5%程度と低い点を認識し、ロジスティクス企業でも顧客ニーズに即した大きな機会に直面していると語った。

 自動化・効率化技術では、屋内移動型ロボットと固定型ロボットをトレンドとして例示。屋内移動型ロボットは、継続的な技術革新に伴い、荷物の移動、コンテナやトラックへの積み下ろし、清掃、警備等、用途が多様化しているとした。一方、定置型ロボットは、倉庫や拠点に配置し、プロセスの最適化が可能。将来的には、ロボットによる自動化プロセス無しでのロジスティクスは考えられなくなると分析した。

【参照ページ】Decarbonization, Robots, Big Data, Supply Chain Diversification, and Alternative Energy Solutions: DHL launches latest "DHL Logistics Trend Radar" with most impactful trends
【画像】DHL

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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