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【EU】米農務省、EUでのゲノム編集規制に関する政策動向レポート公表。2023年に大きな動き

 米農務省は12月6日、EU農業でのゲノム編集に関する規制動向をまとめたレポートを公表した。ゲノム編集を巡るEUの規制が2023年に進展する可能性があると見通した。

 同レポートでは、遺伝子組換え食品に関するネガティブ・キャンペーンも影響し、消費者の態度は全体的に否定的と指摘。小売企業では、自主的なGEフリーラベルの使用により、非GE食品を差別化する取り組みがますます増加しており、大手スーパーマーケットでは、非GE製品のみを取り扱っていることをアピールする動きも出ているとした。

 それらの影響もあり、EU域内でのGE作物の商業栽培は、EUのトウモロコシ総面積の1%に制限され、EUが栽培を許可した品種でも、加盟国19ヶ国の全部または一部で自主的に禁止。一方、畜産セクターは安い飼料を求め、結果的にEUは大量のGE飼料を輸入。米国はEUの主要な大豆の輸入元であり、そのほとんどがGE大豆だという。また、EU域内でのGE支持者は、農家、種苗会社、飼料サプライチェーンの代表者等、農業分野の科学者や専門家と特定した。

 規制制度では、EUのGE製品の認可は、欧州食品安全機関(EFSA)が行う科学的なリスク評価段階と、欧州委員会が行う政治的な影響を受けるリスク管理段階の二段構成。但し、欧州議会は、欧州委員会が政治的に関与する第二段階の手続きを批判し、改革を求めている。EUはGE作物で、2021年には12件の承認と6件の更新をしたが、2022年には6件の承認と1件の更新と大幅に減少している。

 また、欧州司法裁判所(ECJ)は2018年、ゲノム編集で栽培された作物も、遺伝子組換え生物(GMO)指令の規制対象となると判断。また、突然変異誘発により生産された作物は、GMO指令の規制対象外の扱いだが、2020年5月にはフランス政府は突然変異誘発の作物の販売禁止方針を欧州委員会に通知。これが欧州委員会とフランスの論争となり、フランス国務院からの要請を受け、欧州司法裁判所のマチェイ・シュプナール第一法務官は2022年10月、試験管内で適用されるランダム変異誘発は、GMO指令の対象外としなければならないとの裁定を下している。

【参考】【EU】欧州司法裁、ゲノム編集作物にもGMO規制適用と判断。農業関連企業は対応必須(2018年7月29日)

 また昨今の動向では、「Farm to Fork(F2F)戦略」と「2030年のEU生物多様性戦略」の双方でのゲノム編集の位置づけにも言及した。まず、バイオテクノロジーやバイオ製品の開発等のイノベーションは、消費者や環境にとって安全であり、社会全体に利益をもたらすものであれば、サステナビリティを高める役割を果たす可能性があるという説明や、農家は気候変動に適応した植物品種の様々な品質の種子にアクセスできる必要があるという説明があることを紹介。その上で、EU理事会からの要請に応じ、欧州委員会が2021年4月に発表した報告書では、ゲノム編集は、「Farm to Fork(F2F)戦略」や「2030年のEU生物多様性戦略」に資すると結論づけ、2018年の欧州司法裁判所の判断も「目的に適っていない」との見方を示している。

 同報告書では、欧州委員会は2021年9月に、ゲノム編集作物に関する新たな政策イニシアチブとロードマップを立ち上げており、2022年4月からの12週間のパブリックコメントを踏まえ、2023年の第2四半期に法案が公表される予定と解説した。

【参照ページ】European Union: Biotechnology and Other New Production Technologies Annual

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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