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【国際】アリアンツ、2024年版ビジネスリスク・ランキング発表。サイバーインシデント首位

 保険世界大手独アリアンツは1月16日、ビジネスリスクの2024年版ランキング「リスク・バロメーター」を公表した。サイバーインシデントが3年連続1位となった。

 調査対象は、92カ国・地域の同社顧客企業、ブローカー、業界団体、同社従業員等、合計3,069名。回答企業のうち、44%が年間売上5億米ドル(約736億円)以上の大企業、26%が年間売上1億米ドル(約147億円)以上、5億米ドル未満の中堅企業、30%が年間売上1億米ドル未満の中小企業だった。回答は、所属業界と最重要リスクを3つまで列挙する形式。

 2024年調査では、サイバーインシデントが36%で初めて1位を獲得。2位は事業の中断(31%)、3位は自然災害(26%)、4位は法規制の変更(19%)、5位はマクロ経済の発展(19%)、6位は火災・爆発(19%)、7位は気候変動(18%)、8位は政治的・社会的不安定性(14%)、9位はマーケットの発展(13%)、10位は熟練労働者の不足(12%)となった。

 リスクに対する懸念は、大企業・中堅企業・中小企業のいずれも同様。ただし、新型コロナウイルス・パンデミック以降、大企業のリスク意識は高まっており、大企業と中小企業の間でレジリエンス格差は拡大していると分析した。

 一方、中小企業では、広範なリスクシナリオを特定し、効果的に備えるための時間やリソースが不足していることが多く、予期せぬインシデントが発生した場合、事業を再開するまでに時間がかかると指摘した。

 サイバーインシデントは、オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、日本、英国、米国等17カ国で首位。全体でも初めて2位以降と5%ポイント以上の差をつけた。回答者が最も懸念するサイバー脅威はデータ漏洩(59%)、重要インフラや物理的資産への攻撃(53%)、ランサムウェアによる攻撃は3位(53%)だった。

 全体で2位の事業中断については、不安定性が高まるグローバルでのビジネス環境における相互接続性と、重要な製品やサービスのサプライチェーンへの強い依存を反映していると指摘。事業継続マネジメント(BCM)の改善、サプライチェーンのボトルネックの特定、代替サプライヤーの開拓が、企業のリスク管理上の優先事項とした。

 3位の自然災害は、前回の6位から順位を上げた。背景としては、2023年が観測史上最も暑い年であり、保険損害は4年連続で1,000億米ドル(約15兆円)を超え、激しい雷雨による損害額が過去最高の600億米ドル(約8.8兆円)に達したことがある。国別では、クロアチア、ギリシャ、香港、ハンガリー、マレーシア、メキシコ、モロッコ、スロベニア、タイが自然災害が第1位のリスクとして挙げている。

 また気候変動は、全体で7位だが、ブラジル、ギリシャ、イタリア、トルコ、メキシコ等ではトップ3に入っていると指摘。頻繁で深刻な異常気象による企業資産への物理的損害は、主要な脅威だと語った。さらに、企業のビジネスモデル転換に向け、ほぼ検証されていない新たな低炭素技術への投資を行うため、ネットゼロ移行リスクや賠償責任リスクは今後増加すると予測した。

 全体で8位の政治的・社会的不安定性については、中東とウクライナでの紛争、米中の緊張を背景にリスク認識が高まっていると分析。2024年は、インド、ロシア、米国、英国を含め、世界人口の50%が投票に行く可能性がある「超選挙の年」とした。さらに、経済の不確実性、生活費の高騰、ソーシャル・メディアに煽られた偽情報の増大と相まって、社会の二極化が進み、多くの国でさらなる社会不安を引き起こすと予測した。

 全体で10位の熟練労働者の不足については、2023年よりも低リスクと見られるが、中欧・東欧、英国、オーストラリアの企業は、依然トップ5に挙げている点に言及。多くの国で失業率が記録的な低水準にあり、企業が採用を拡大したいと考えている一方、ITやデータの専門家を見つけることに難航しており、サイバー犯罪への懸念が高まる中、課題となっているとした。

【参照ページ】Allianz Risk Barometer: A cyber event is the top global business risk for 2024
【レポート】Allianz Risk Barometer Results appendix 2024

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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