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英金融シンクタンクNGOのプラネット・トラッカーは1月31日、アパレル世界大手企業29社を対象に、水リスク情報開示状況を分析した報告書を発表した。
同報告書は、世界大手アパレル企業29社の水リスクの情報開示に関して分析したもの。年次報告書、規制当局への法定提出書類、IR資料等、合計3,947件の文書をもとに、自然言語処理(NLP)のAI技術を用いて、水リスクに関する認識を解析した。
対象企業は、アディダス、アメリカン・イーグル、GAP、H&M、ヘインズブランズ、エルメス、Inditex、ケリング、リーバイ・ストラウス、LVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトン、NIKE、プーマ、ラルフローレン、スケッチャーズ、アンダーアーマー、VFコーポレーション、ヴィクトリアズ・シークレット、Vipshop(唯品会)、ザランド。日本からはファーストリテイリングが対象となった。
同報告書によると、対象文書の約90%が水関連のリスクについて情報開示していなかった。一方、水関連のリスクを意識した言及の回数は、2018年の2,000回から2022年には9,000回を超えることから企業の意識は高まっている。
水リスクに関する情報開示は、2022年には83%がサステナビリティレポートで実施。情報開示をした企業は、非高級ブランドが最多で、高級ブランドが次に多かった。反対に小売企業では言及が少なかった。水リスクに関する情報開示の質はほとんど変化しておらず、水使用量を中心とした開示にとどまり、汚染物質への開示は非常に限定的だった。
企業毎のスコアでは、ヘインズブランズが最高スコアをマーク。GAP、次にVFコーポレーションとケリングが続く形。ファーストリテイリングは下位だった。
同NGOは、アパレル業界に関係するステークホルダーに対して投資判断に水リスクを含める必要性を訴えた。また、アパレル企業に対して、CDPのような標準化された枠組みを通じて、水使用量や汚染物質リスクに関する情報開示を行うよう呼びかけた。
【参照ページ】Planet Tracker Urges Increased Water Risk Disclosure in the Apparel Industry
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