
米環境保護庁(EPA)は4月9日、大気浄化法に基づき、樹脂製造工場に対し、エチレンオキシド(酸化エチレン)、クロロプレン、ベンゼン、1,3-ブタジエン、二塩化エチレン、塩化ビニルに関する工場敷地境界でのモニタリング(フェンスライン・モニタリング)を義務化した。年間平均大気濃度基準も最終決定した。
EPAは3月14日、商業用滅菌施設からのエチレンオキシド排出を大幅に削減する最終規則を発表済み。さらに今回、樹脂製造工場を対象に、対象6物質の製造、使用、貯蔵、排出の各工程および装置に対する工場敷地境界での基準値遵守モニタリング義務を定めた。EPAは今回の措置により、エチレンオキシドとクロロプレンを約80%削減できるとみている。透明性確保のため、各施設のデータも公開していく。
EPAは、事前に大規模工場を対象に敷地境界から6km範囲での地域リスク評価を実施済み。同規制の適用対象となるのは約200工場あるという。EPAは、エチレンオキシドとクロロプレンへの長期暴露は、リンパ腫、白血病、乳癌、肝臓癌等の発癌性リスクがあると判断している。ベンゼン、1,3-ブタジエン、二塩化エチレン、塩化ビニルに関しても、吸い込むことによる発癌リスクがあるとみている。
EPAの原案では、工場敷地境界でのモニタリング義務を、同ルール発効日の1年後から開始するとしていたが、最終的には2年後からで決着した。年間平均大気濃度が基準を超えた場合には、工場所有者及び工場事業者は汚染源を特定し、改修する義務を負う。
【参照ページ】Biden-Harris Administration Finalizes Stronger Clean Air Standards for Chemical Plants, Lowering Cancer Risk and Advancing Environmental Justice
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