
米財務省と内国歳入庁(IRS)は4月30日、インフレ抑制法(IRA)により創設された持続可能な航空燃料(SAF)減税に関するガイダンスを発行した。減税対象要件を定めた。
財務省とIRSは2023年12月にも同様のガイダンスを発行。但しその際、エネルギー省が、運輸省、農務省、環境保護庁(EPA)とともに、GREETモデルの改訂版を3月31日までに公表することを予定していることに触れ、2023年と2024年に販売もしくは使用されるSAFについては、改訂版GREETモデルを踏まえた新たなガイダンスを発行することを予告していた。
【参考】【アメリカ】財務省、SAF減税ガイダンス発行。CORSIA基準採用も改訂版GREETモデルにも道(2024年1月9日)
米国政府のSAF省庁間作業部会(IWG)を構成する財務省、環境保護庁(EPA)、運輸省(DOT)、農務省(USDA)、エネルギー省(DOE)は同日、合同で「40B SAF-GREET 2024モデル」を発表。SAFクレジットの目的のために、SAF生産者が生産物のライフサイクル温室効果ガス排出率を決定するための規格を別途開発した。同規格では、航空燃料や間接排出に使用される主な原料やプロセスの最新のモデル化に加え、新しいデータが組み込まれ炭素回収・貯留(CCS)、再生可能天然ガス、再生可能エネルギー電力等の主要な温室効果ガス排出削減戦略も統合されている。
あわせて、米農務省は、SAF原料として、気候スマート農業(CSA)で生産された農作物の使用を奨励する実証プログラムも発表した。とうもろこしエタノールをSAF原料にする場合、実証プログラムでは、特定のCSA慣行(不耕起、カバークロップ、高効率肥料)を採用した場合、温室効果ガス削減クレジットを提供する。同様に、大豆エタノールをSAF原料にする場合には、不耕起とカバークロップがCSA慣行として認められる。これらは、2023年と2024年に施行される40Bクレジットに特化した実証プログラムとなる。
今回財務省が発表したガイダンスは、石油ベースのジェット燃料と比較して、SAFによってライフサイクル温室効果ガス排出量を50%以上削減できる場合に、税額控除を受けられる。金額は、排出量を50%削減したSAFは、1ガロン当たり1.25ドルの税額控除を受けることができ、排出量を50%以上削減した場合は、削減率が50%を超えるごとに1ガロン当たり0.01ドル加算され、最大0.50ドルまで追加税額控除を受けることができる。
財務省は、2025年用のクリーン燃料生産クレジット(45Z)に関するCSA慣行をクレジットするために、新たな規格「45Z-GREET」を今後開発していく。
【参照ページ】U.S. Department of the Treasury, IRS Release Guidance to Drive American Innovation, Cut Aviation Sector Emissions
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら