
IT世界大手米アマゾンは7月16日、2024版の「サステナビリティ報告書」を発行した。廃棄物回避率を初めて公表した。
同社は、廃棄物マネジメントにおいて、廃棄物の発生防止、削減、再利用を実践。特に発生した廃棄物の処理では、再利用・リサイクル・堆肥化、エネルギー回収、焼却・埋立の順で実施している。廃棄物マネジメントの対象は、本社、データセンター、小売店舗、フルフィルメントセンター等の全ての拠点。また販売した商品の廃棄物を減らす試みも続けている。
フルフィルメントセンターでの過剰在庫の削減では、「アマゾン・アウトレット」で値引き販売を実施。2024年には販売点数が6,800万点に達した。販売ができない場合には、サプライヤーへの返品、卸売事業や二次流通市場への販売等で対応している。輸送等での製品破損の防止でも、2024年には、Amazonのオペレーション内での破損品割合を2023年比で29%削減できた。破損した製品は、修理後に再販売をしており、特にノートパソコン、タブレット、ロボット掃除機、エスプレッソマシンでは修理に至ったものが多かった。
顧客購入後の返品削減では、製品の設定方法や必要に応じて修理の仕方を伝えることで、2024年に1,400万件の製品返品を回避。2023年比で25%増加した。また、返品後の製品は、「新品として販売可能な基準」を満たす場合、再出品対応している。新品として再出品できない製品は、グレード分け、テスト、評価を行い、「Amazon Resale」で割引販売を実施。修理や再販が不可能だが、安全に使用できる製品は、寄付している。
独立した第三者販売者向けには、再販売、在庫処分、寄付等を行う「ReCommerce」サービスを提供。2024年には、ReCommerceが活用された商品は、米国と欧州で約3億9,100万点に及ぶ。
米国と欧州で展開している食品スーパーマーケット事業では、食品廃棄物削減を実施。また、データセンターにおけるハードウェアとサーバーでも廃棄の削減を行っている。
一方、同社で発生する廃棄物は、資材となる段ボール、プラスチック、ペレット、ラック等が多く、とりわけ全体の65%を占める段ボールと木材製品に関しては100%リサイクルを実施。その結果、同社の廃棄物全体において、再利用・リサイクル・堆肥化による廃棄物回避率は83%、エネルギー回収は2%となり、合計した廃棄物回避率は85%となった。焼却もしくは埋立された残りの15%には、有害物質や医療廃棄物等も含まれている。
廃棄物回避率の向上では、埋立・焼却処分よりリサイクルを優先するサービスプロバイダーの選定、廃棄物削減とデータ報告に関する契約上の要件の確立、AIを活用した分別、従業員向けの分別研修等を行っている。リサイクル可能性が判明していない新素材については包括的な特性調査プログラムを実施している。2024年には、UPM Raflatacの「RafCycle」サービスと協働し、北米の物流拠点で製造・使用される接着ラベルの紙裏地のリサイクルも始めている。
また包装廃棄物の削減では、メーカー梱包のまま発送し同社独自に包装をしない「Ships in Product Package」の実施率がグローバルで12%だった。さらに2024年には、Amazonフルフィルメントサービスを利用する企業にも「Ships in Product Package」の活用を開放。また、ネスレ、ユニリーバ、SCジョンソンと協働し、製品パッケージをシンプル化することで、不要な包装を防止する試みも進めている。
包装での使い捨てプラスチックの削減では、Mondiと協働し、保護用の紙ライニングを備えた完全紙製パッケージを開発。2020年以降、紙包装への転換を進めており、グローバルで152,062tの使い捨てプラスチックを削減。2024年単年でも世界全体で使用量を前年比16.4%削減した。使用する紙も再生紙に切り替え始めている。やむを得ずプラスチック包装を行う場合は、再生素材の割合を高めている。新包装素材の開発や、リサイクル施設の整備についても継続していく。
【参照ページ】6 takeaways from the 2024 Amazon Sustainability Report
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