国連加盟193ヶ国が、大胆かつ意欲的で革新的な開発目標への合意により、2015年を次の15年に向けた世界的アクションの年にするという呼びかけにしっかりと答えた。国連加盟国は8月2日に行われた政府間交渉で、2030年までに貧困や飢餓の撲滅を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」について全会一致で合意した。
"Transforming our World: The 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:2030年への持続可能な発展に向けたアジェンダ)"と題するこのSDGsは、今年の12月に達成期限を迎える「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」の後継となる新開発目標だ。2012年にリオで開催された国連持続可能な開発会議からの約3年間に及ぶ国際協議の集大成となる。
新たなSDGsは各国の首脳が集まる9月25~27日の国連サミットで正式に採択される予定だ。そして、加盟国らは12月にパリで開催予定のCOP21にて気候変動に関する国際合意を目指す。
SDGsでは貧困や飢餓の撲滅、格差解消、男女平等、再生可能エネルギーの推進、気候変動対策など17の目標と169の具体策が策定されており、開発途上国だけではなく先進国も含めて取り組むべき議題が数多く盛り込まれている。その中には、先進国は国民総所得の0.7%を政府開発援助(ODA)にあてるという財政目標なども含まれる。
国連事務総長のBan Ki-moon氏は「SDGsは全ての人類が貧困、飢えそして不平等から解放され、人間らしい生活ができ、そして老若男女の誰もが自身の可能性を最大限に開発できるようになるために取り組んでいく。SDGsは我々全員に対して地球市民として責任を持ち、我々の全ての生活が依存している地球の生態系や気候行動と同様に、恵まれない人々を大事にするよう求めるものだ」と語った。
また、Ban氏は「我々は世界の貧困を撲滅させる最初の世代になり得るし、温暖化による悪影響を防止する最後の世代になり得る。来月には国連本部で開催されるサミットで世界のリーダーがこの新たなアジェンダを正式に承認するだろう。そして12月のパリでの気候変動会議では意欲的な合意を目指すだろう。この気運を持続させるべきだ」と付け加えた。
今回の合意により、2030年までに我々が世界全体として解決するべきサステナビリティ課題が明確に定まった。SDGsの達成のためには政府はもちろん、企業の力も欠かせない。今回公表された17の目標は自社の今後15年のCSR・サステナビリティ目標、行動計画を策定する上でも大いに参考になるはずだ。ぜひ下記からその詳細を確認して頂きたい。
【レポートダウンロード】Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development
【参考サイト】Sustainable Development Goals
【参照リリース】Member States lauded for reaching agreement on new UN sustainable development agenda
【団体サイト】UN
(※写真提供:Osugi / Shutterstock.com)
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