
アサヒグループホールディングス傘下のアサヒ飲料は6月30日、人工知能(AI)を活用した独自の微生物迅速検査法「FLOX-AI」の運用実証に成功したと発表。7月から各工場での本格運用を順次開始する。
【参考】【日本】アサヒ、AI活用の微生物迅速検査法を独自開発。グループ8社経営層の女性比率目標、40%以上に設定(2022年1月7日)
微生物検査は、商品内の微生物の有無を検査するために行われている。従来は、培養法が用いられてきたが、培養法では、微生物の有無の判定に3日から5日程度を要し、最終判定は人間の目視で行うため、時間と労力が課題となっていた。そこで近年は、生きている微生物だけに反応する特殊な蛍光試薬で染色し、蛍光検出型装置によって微生物の有無を確認する蛍光染色法が登場。しかし、乳や果汁を多く含む清涼飲料水を検査した場合、蛍光染色法では微生物とそれ以外の物質を明確に区分することが困難だった。
そこで同社は独自に、蛍光染色法とディープラーニング画像処理技術を融合させた技術を開発。両者の形状や色調等の特徴や量の違いを学習させることで、迅速かつ高感度に微生物有無を検出する学習済みモデルのアルゴリズムを構築した。
運用実証を行った群馬工場ではすでに、時間短縮効果を確認済み。微生物検査の所要時間を従来比で、1月から5月の期間は44時間の短縮に成功。7月からは同社岡山工場でも運用を開始し、7月から12月の期間で53時間の削減を見込んでいる。2023年中に他工場への導入も予定。2024年以降には、同業界全体へ水平展開させる考え。
【参照ページ】業界初AIを活用した微生物迅速検査法「FLOX-AI(フロックスアイ)」7月から本格運用開始
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