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【国際】EUと中国議長のIPSF、進捗報告発表。トランジションファイナンスの世界共通化に着手

 EUと中国政府が共同議長を務める国際的な政策検討プラットフォーム「サステナブルファイナンスに関する国際プラットフォーム(IPSF)」は12月4日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、活動4年目の進捗報告書を発行した。

【参考】【EU】欧州委、サステナブルファイナンス政策普及の国際ワーキンググループで中国を共同議長に任命(2020年10月20日)

 IPSFは、EUが2019年10月に開催された1年前のIMF/世界銀行年次総会の場で設立を発表した国際的な政府の検討プラットフォーム。EUのサステナブルファイナンス・アクションプランでは、サステナブルファイナンス政策をEU域内だけに留めず、国際的にも広げていく戦略を掲げており、IPSFがその中心的な役割を果たしている。欧州委員会は、中国を積極に巻き込むために、2020年に中国を共同議長に任命した。

 IPSFの現在の加盟機関は、欧州委員会、中国人民銀行、日本の金融庁、カナダ財務省、英財務省、スイス連邦財務省、ノルウェー財務省、オーストラリア財務省、ニュージーランド環境省、シンガポール財務省、シンガポール通貨管理庁、香港金融管理局、香港証券先物委員会、インド財務省、インドネシア財務省、マレーシア財務省、スリランカ中央銀行、アルゼンチン財務省、チリ財務省、ケニア財務省、モロッコ経済財務省、セネガル財務省。

 同報告書では、当初の目的であったEU環境タクソノミーの世界展開について、12月3日にシンガポール通貨管理庁が「シンガポール・アジア・タクソノミー」を正式発行したことを成果として挙げた。またEUと中国の協議も継続しており、気候変動緩和でのセクター拡大や、気候変動適応への拡大で進展があったとした。

 また、排出削減が難しいセクターでのトランジションファイナンスについても、近年IPSFの重点分野となってきている。IPSFは、2022年に「トランジション・ファイナンス原則」を策定し、それに基づき実務ガイダンスの作成を進めている。同原則はトランジションファイナンスに関し「信頼性」「開示」「ファイナンス」「評価」の4つの観点を提示。特に、信頼できるパスウェイに基づく野心的な目標設定や、確実な移行計画(トランジション・プラン)の策定・開示を強調している。またセクター別パスウェイと整合したファイナンスの実効性評価までを行うべきとしている。

 今回の発表では、トランジションファイナンスの各国での制度化の状況を調査した中間報告書も発行。トランジションファイナンスが1.5℃目標と明確に整合するあり方について引き続き2024年も検討を進めていく考え。

 さらに、今回始めてソーシャルボンド分野の動向調査報告書も発行。現在、メキシコとモンゴルが社会タクソノミーを策定済み。ソーシャルボンドの発行体は、現状は政府関係機関が多く、事業会社は少数にとどまっている。一方、投資家の間では、ポートフォリオの多様化の観点から、ソーシャルボンドへの投資意欲は高まっており、発行を促進するフレームワークの整理や、投資適格性を高めるための政府支援策を提言。さらに、アクションを促すために、各プレイヤーが抱える社会リスクの可視化も必要とした。

【参照ページ】International Platform on Sustainable Finance

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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