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【アメリカ】ペプシコ、2025年までのサステナビリティ長期目標発表。商品の砂糖含有量削減など 2016/11/03 最新ニュース

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 食品世界大手ペプシコは10月17日、2015年のサステナビリティレポートを発表する中で、2025年までに向けた長期サステナビリティ戦略「2025 Sustainability Agenda」を明らかにした。消費者の健康食志向が高まっていく消費者需要の変化を見越し、全社の商品内容を大きく見直していく。同時に環境や人権に配慮した世界の食品システムの構築を目指し、地域社会のウェルビーイングの向上も目指していく。

 同社は2006年に「Performance with Purpose」というビジョンを発表、「ビジネスの成功を私達が共有する世界の持続可能性を不可分だ」とする信念を事業の中心に据えてきた。それ以降すでに数多くのサステナビリティ行動目標を設定し遂行してきたが、2025年に向けてさらに内容を発展させていく。新たな戦略では、国連持続可能な開発目標(SDGs)を考慮しつつ、(1)商品そのものの健康やウェルビーイングの向上、(2)地球保護、(3)世界中の人々のエンパワーメントの3点を柱として掲げた。同社は、これらの目標達成は、長期的な財務パフォーマンスや株主総利回りの向上につながるという考えを示した。

 まず、製品分野では、消費者の健康志向やWHOが発表した声明などに基づき、商品に含む砂糖、飽和脂肪酸、ナトリウムの量を削減していく。2025年までの数値目標として、

  • 飲料商品量の最低3分の2で、355ml当たりの付加砂糖量を100カロリー以下に下げる
  • 食品商品量の最低4分の3で、100カロリー当たりの飽和脂肪酸含有量を1.1g以下に下げる
  • 食品商品量の最低4分の3で、1カロリー当たりのナトリウム含有量を1.3mg以下に下げる
  • 穀物、果物、野菜、乳製品、プロテイン、水分など同社が「日常食」と定義する商品の売上成長率を同社平均以上に上げる
  • 貧困層に対し栄養食や栄養飲料を30億食以上提供する

【参考】WHO、加盟国政府に「砂糖税」導入による甘味食品・飲料の消費量減少を提言

 環境の分野では、気候変動枠組み条約パリ協定を支援するとともに、新たな数値目標を発表した。

  • 2025年までに水リスクが高い地域での農業の水消費効率を15%向上させる
  • 2006年に設定した製造現場での水消費効率25%向上に加え、さらに2025年までに25%向上させる
  • 2025年までに水リスクが高い地域で製造現場での水消費量100%を現地の水源に還元する
  • 2006年に設定した水リスクが高い地域の住民2,500万人に安全な水を供給する取組を2025年まで継続する
  • 2030年までに企業のサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を20%以上削減する
  • 農作物原料調達分野で直接調達を2020年までに、間接調達を2030年までに100%持続可能な手法にする
  • 2020年までにパーム油とさとうきびの調達100%を持続可能な手法にできるよう関連分野に投資する
  • 2025年までに自社事業からの埋立廃棄物をゼロにする
  • 2025年までに自社事業からの食品廃棄物を50%削減する
  • 2025年までに商品パッケージを100%再利用またはリサイクル可能なものに変える

 地域社会の分野では、国連のビジネスと人権に関する指導原則に言及しつつ、新たな数値目標を発表した。

  • 2025年までに環境配慮、農業生産性向上、生産者生活改善、人権尊重を内容とする同社の持続可能な農業イニシアチブ(SFI)の対象を、同社の関係農地の4分の3に当たる700万エーカーに拡大する
  • すでに同社内100%遵守となった同社のサステナビリティ調達基準を、全フランチャイズ企業と全合弁企業で遵守させる
  • 2025年までにペプシコ財団と協力し、世界の女性1,250万人の支援のため1億米ドルを投じる
  • 管理職の女性比率や男女の賃金平等化など地域状況を配慮した従業員ダイバーシティ活動を継続する

 世界中で事業展開するペプシコは、今回の長期目標の発表の中でも、WHOの最新報告を引用するなど、世界の幅広い情報を常にキャッチアップし、事業内容に反映させている姿が伺える。砂糖の含有量などについては、コカ・コーラなどがNGOからの批判を浴び対応をするなどした例が過去にあるが、全社的に砂糖の含有量を減らしていく発表する企業は世界的にも珍しい。また、近年将来のリスクが大きくクローズアップされる水分野では、同社はすでに昨年までに事業で消費した水と同量の水を、同社や同社の財団を通じて社会で利用可能にするという目標を達成したことを発表していていが、今回早速、「2025年までに水リスクが高い地域で製造現場での水消費量100%を現地の水源に還元する」と現地での水循環を100%達成する目標を掲げたことは高く評価できる。

【参考】ペプシコ、水使用量削減で大きな成果。コスト削減効果は5年間で82億円

【参照ページ】PepsiCo Launches 2025 Sustainability Agenda Designed to Meet Changing Consumer and Societal Needs

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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