Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【アメリカ】Airbnb本拠地サンフランシスコ市、民泊を大幅に規制する法案可決 2016/11/30 最新ニュース

san-fransisco

 サンフランシスコ市監理委員会は11月15日、民泊などを対象とする短期賃貸物件を規制する法律を6対2(2名欠席)で可決した。部屋、家またはアパート一軒の貸出は年間60日以内に限定される。民泊規制としては全米で一、二を争う厳しい内容。民泊関連の事業を扱う企業に関わりのあるMark Farrell委員は投票しなかった。

 サンフランシスコ市政府は、全米の中でも稀な市と郡の権能を兼ねる「市郡(City-county)」制を採用している。そのため、サンフランシスコ市の正式名称は、”The City and County of San Francisco”と言う。市政府は、二府で構成され、行政府トップを市長が、最高意思決定機関である立法府を監理委員会(Board of Supervisors)が担う。サンフランシスコ市の管理委員会は11名で構成されている。今回、監理委員会が可決したことで、市長が署名すれば、正式に法律として発効される。

 本件に関し、サンフランシスコ市長は民泊に関する規制強化に反対を表明しており、今後この規制に拒否権を行使するか否かが注目される。賛成票6票は、市長の拒否権行使を無効にできる8票に満たない。

 現在サンフランシスコ市内では一部屋なら無制限、家全体ならば90日までの民泊が認められている。業界のリーダーであるAirbnbはサンフランシスコ発祥で、今回の規制が大きな打撃になることは間違いない。民泊に否定的な人々は、民泊オーナーが民泊を推進するほど、本来そこに住めるはずであったサンフランシスコ市民の選択肢が狭まる弊害を指摘する。これに対し、Airbnbをはじめとする企業は、民泊オーナーの多くがそこに住みながら部屋の一部を貸出、家賃の高いサンフランシスコ市での生活費を補填しているケースが大半であると主張している。

 行政とAirbnbをはじめとするサービス提供企業は、規制について激しい攻防を繰り広げてきた。サンフランシスコ市では、物件を貸し出す民泊オーナーの名前、住所、貸出履歴の登録が求められているが、Airbnbはサービス利用者の情報を行政に渡すことを拒んできた。現在8千から1万の民泊オーナーがいるとみられているが、行政に登録されているのは1700人程度に過ぎず、ルールに反する部屋の貸出を把握できないでいた。2016年6月に部屋の貸出を登録制とする法律が可決された際には、Airbnbはサンフランシスコ市に対して訴訟を起こした。カリフォルニア州の連邦地方裁判所は今月初め、同社の訴えを棄却し、未登録の民泊オーナーには罰金または刑事罰を貸す可能性に言及しているが、同裁判所判事は直後の両者との協議の中で同市は罰金や刑事罰を直ちに執行する前に、Airbnbなどと登録の徹底に向けた取組をするべきだとの判断を下した。Airbnbは、同市との協議に即応じるとしているが、それでも登録性を義務化する同市規制は連邦法に反するとの見解の立場から連邦巡回区控訴裁判所に控訴する姿勢。

 ニューヨーク市でも同様の規制強化が行われ、10月には空き部屋を30日以内の短期貸出に利用した民泊オーナーに対して最大7500ドルの罰金が科せられることが決まった。民泊オーナーも同時に滞在するような場合には日数制限はない。

 サンフランシスコ市側がは短期貸出の規制強化が住民への住宅供給量の増加につながることを期待しているが、規制がどの程度効果があるのかはまだ定かではない。実際に研究者からは、長期貸出物件の供給量に影響するのはAirbnbの利用ではなく、家賃相場と人口増加であるとの指摘もある。重要なのは物件の供給量の確保と、住民が家賃を補填できるサービスの許容範囲のバランスを見極めることであり、規制の行方が注目される。

【参照ページ】SFGATE “SF deals major blow to Airbnb with tough short-term rental law”
【参照ページ】Judge rejects Airbnb’s bid to halt San Francisco ordinance
【参照ページ】Judge scolds SF, Airbnb while staying fines in short-term rental case

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る