
米カマラ・ハリス副大統領は5月6日、デトロイト等の自動車産業工業地帯を持つミシガン州での視察中に、自動車メーカー労働者や中小サプライヤー向けの支援策を発表した。電気自動車(EV)への生産側の転換を後押しする。予算はインフラ投資雇用法やインフレ抑制法。
自動車メーカー労働者向けでは、エネルギー省、労働省、ミシガン州が共同で進める「ミシガン州電気自動車ハブ」を拡充。EV製造等の職業訓練の場を増やすための施策を展開する。その中でエネルギー省は、「主要プロジェクトのための地域社会労働力準備アクセラレーター(RAMP)フェローシップ」の募集を新たに開始し、ミシガン州を含む、クリーンエネルギーや製造業への大規模な投資を受けた地域社会で、地元住民や非正規雇用者を対象とした労働力開発パートナーシップを拡大するプロジェクトを2年間かけて構築し、規模を拡大していく。
また、エネルギー省が主導するバッテリー労働力イニシアチブでは、オペレーターや機械修理工等、バッテリー製造の主要職種の標準化された訓練ガイドラインを開発。メーカーと合同で試験的に実施する。バッテリー製造に焦点を当てた安全衛生管理モデルも実施し、業界全体の基準の必要性も評価する。
中小サプライヤー向けには、エネルギー省は、内燃エンジン部品の製造からEVサプライチェーン向け部品の製造に転換するのを支援するため、州とのパートナーシップに自動車転換助成金プログラムのうち5,000万米ドル(約75億円)の予算を確保。また別途、同省は、自動車サプライヤーが製造業の多様化と転換プロジェクトを開始するのを支援するため、産業評価センター実施補助金プログラムのうち最大5,000万米ドルを確保する。同プログラムでは、工場での省エネ・省資源、サイバーセキュリティ、生産性の改善、温室効果ガス排出量の削減を目的とした産業評価センターの無償評価を受けた事業体に対し、最大3,000万ドルの補助金を提供する。
さらに同省は、内燃機関部品メーカーがEVや周辺市場へビジネスモデルを転換することをサポートするため「小規模サプライヤーEV転換プレイブック」を作成する。同ガイドでは、内燃機関サプライヤーが既存の製造能力に基づいて生産できる新製品について説明し、新産業で成功するために必要な労働力と技術的変化について概説する。また「自動車サプライヤー移行ネットワーク」を創設し、サプライヤー向けの調査や技術支援を行う企業をネットワーク化。資金助成することで地域ハブとしての役割を期待し、サプライヤー向けのサービス提供価格を引き下げる。同時に、全米50州とプエルトリコでは官民パートナーシップ「製造業拡張パートナーシップ・センター」が、中小サプライヤーがプレイブックの推奨内容を実践していくことをサポートする。
中小企業庁では、新たな運転資金パイロット・プログラムを設立し、自動車部品メーカーや販売業者を含む中小企業の国内・輸出資金ニーズを支援するための融資枠を提供していく。
【参照ページ】FACT SHEET: Vice President Harris Announces More Than $100 Million to Support American Auto Workers and Small Auto Suppliers
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