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【EU】欧州委、農業・水産業のみTCTF制度存続。エネルギー補助金特別扱いは終了へ

 欧州委員会は4月11日、農業・水産業分野を対象に「一時的危機・移行枠組み(TCTF)」の一部条項を6カ月間延長する修正案を採択した。

 欧州委員会は2022年3月、ロシアのウクライナ戦争で必要となった国内経済救済のため、各EU加盟国が柔軟に経済補助金を実施できる「一時的危機フレームワーク(TCF)」を採択。さらに2023年3月、グリーン・ディール産業計画に基づき、「一時的危機・移行枠組み(TCTF)」へと発展させた。2023年11月には、エネルギー分野での支援が引き続き必要なことから、農業・水産業を含め、制度活用を延長していた。

【参考】【EU】欧州委、「グリーンディール産業計画」発表。投資拡大で新たな政策確立へ(2023年2月2日)

 今回の決定により、農業・水産業に関しては、6ヶ月延長が決定した。背景には、食料安全保障の観点や、2月の大規模なEU農家の反対運動が影響しているとみられる。EU加盟国政府に認められる補助金上限額は維持し、ロシアを含むその後の制裁措置や対抗措置の影響を受けた企業に対し、農業分野には最大28万ユーロ、漁業・養殖業分野には最大33万5000ユーロの支援を行うことができる。

【参考】【EU】欧州委、持続可能な植物保護剤使用規則案を撤回。対話重視アプローチに仕切り直し(2024年2月8日)

 一方、それ以外のTCTF制度は6月30日までに段階的に終了する。これによりエネルギー高騰による経済支援策も終了となり、農業・水産業のみが存続する形となった。国家保証と補助金付き融資の形式での流動性支援も、2023年12月31日までに段階的に廃止される。

 グリーントランジションの加速と燃料依存の削減を目的とした条項に基づく制度は、2025年12月31日まで猶予を設けて終了となる。

 さらに今回の決定と同時に、農業に関するミニマム規則の改正にも着手し、農業部門に対する少額支援は、EU単一市場における競争および貿易に影響を与えないとみなし、国家補助規制の対象外としていく考え。具体的には、EU加盟国は農業部門に対し、受益者1人につき2万ユーロ(デミニマス援助を登録する中央登録機関がある場合は2万5,000ユーロ)を上限に、3年間、欧州委員会に事前通知することなく援助を行うことができるようにする。

【参照ページ】Commission adopts limited prolongation of State aid crisis tools to further support agriculture and fisheries sectors

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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