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【国際】ISSB、生物多様性・生態系と人的資本を次期テーマに決定。人権は当面着手せず

 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は4月23日、サステナビリティ開示基準の次期トピックとして「生物多様性・生態系・生態系サービス」及び「人的資本」のリスクと機会に関する情報開示の研究プロジェクトを開始すると発表した。

 一般サステナビリティ開示事項「IFRS S1」と気候関連開示事項「IFRS S2」に次ぐテーマでは、これまで生物多様性・生態系、人的資本、人権の3つが挙げられていた。特に人的資本と人権は、関連性が非常に高いため統合すべきとの提案が、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)や複数の機関投資家から為されていたが、ISSBは今回、人権に関連するリスクと機会に関するプロジェクトには現段階では着手しないことを決定。重要な分野の進展を注意深く監視し、将来のアジェンダ協議に含めることを検討するとした。

【参考】【国際】UNEP FI、ISSBに優先順位高い分野伝える。生物多様性と人権・不平等を含めた時間軸(2023年9月14日) 【参考】【国際】機関投資家24団体、ISSBに人的資本と人権の一体基準の策定要請。不可分(2023年8月31日) 【参考】【国際】ISSB、一般サステナビリティ開示事項S1と気候関連開示事項S2を最終合意。最終発行は第2四半期(2023年2月18日)

 今回着手する研究プロジェクトでは、生物多様性・生態系と人的資本のリスクと機会が、企業の見通しに影響を及ぼすと合理的に予測されるか、どのように影響を及ぼすかを評価する際の、投資家に共通する情報ニーズが焦点。同プロジェクトを通じ、生物多様性・生態系と人的資本の現在の開示の限界を評価・定義し、可能な解決策を特定することで、基準設定の必要性を判断する。

 サステナビリティに関連する全てのリスクと機会に関する重要な情報の開示は、すでにIFRS S1で要求されており、企業は気候変動以外の適切な開示を行うために、SASBスタンダードを含むガイダンスを参照する必要がある。今回もIFRS S1、IFRS S2基準策定アプローチ同様、SASBスタンダードやCDSBガイダンス、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)等の関連する既存イニシアチブの活用方法を検討する。

 但しISSBは、今後2年間の優先課題はIFRS S1とIFRS S2の実施普及にあると強調。今回発表の新たな研究プロジェクト2つと、SASBスタンダードの強化作業がその他の重点分野となるとした。また、新たなニーズへの対応や、IASB(国際会計基準審議会)との協働のためのキャパシティも確保。ISSBとIASBは、質の高い企業報告や投資家向けのまとまった情報パッケージを推進するリソースとして、統合報告フレームワークの利用を引き続き支援していく。

 またISSBは6月、アジェンダ協議に関するフィードバックの要約とそれに対する回答、今後2年間の作業計画を公表する予定。

【参照ページ】ISSB to commence research projects about risks and opportunities related to nature and human capital

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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