ヨーロッパ諸国を中心に日米を含む34ヶ国の先進国が加盟しているOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)は6月24日、加盟国を地域別に分類し、合計362地域の幸福度を紹介するウェブサイトを公開した。
各地域の幸福度は、所得、健康、安全、サービス、市民参加、教育、雇用、環境という8つの指標を10点満点のスコアで評価したもの。
実際の評価を見てみると、英国では、北アイルランドは空気が最もきれいだが投票率は最低、スコットランドの平均寿命が最も短く、英国南西部に比べて3年4か月も短いことがわかる。
また、米国においてはハワイ州の平均寿命がミシシッピー州より6年も長く、米国全体とメキシコを比べると、メキシコ人より米国人の方が6年長く生きるという結果になっている。ほかにも、オーストラリアは地域ごとの所得格差が最も大きいのに対し、オーストリアは所得が最も小さくなっているなど、ユニークな結果を見てとることができる。
日本は北海道、東北、北関東・甲信、南関東、北陸、東海、関西、中国、四国、九州・沖縄の9エリア別にスコアが出ており、他国と比較すると総じて安全、健康については全地域が満点に近いのに対し、市民参加の項目では3、4点台と低くなっているのが特徴的だ。
OECDの公共ガバナンス・地域開発責任者を務めるRolf Alter氏は、「住む地域は生活の質に大きく影響する。今回の調査のように細かく見ることで地域差がはっきりし、各地域の政府がその差を無くすために取り組むべき課題もはっきりと見えてくる」と語った。
ウェブサイトでは指標が8つの異なる色の花びら模様で表現されており、クリックすることで、各地域の国内における順位や、OECD全体における順位などの詳細情報を確認することができる。データはExcel形式でダウンロードすることも可能だ。
このウェブサイトを見ることで、国や地域によって社会課題がどのように異なるのか、その概観をつかむことができるはずだ。興味がある方はぜひ見てほしい。
【関連サイト】OECD Regional Well-Being
(※写真提供:360b / Shutterstock.com)
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