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【アジア】アジア開発銀行、気候変動は南アジア経済に深刻な影響をもたらすと警鐘

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アジア開発銀行は先日公表した報告書”Assessing the Costs of Climate Change and Adaptation in South Asia”の中で、もし世界が現在のペースで化石燃料を使用し続けた場合、気候変動の影響により南アジア経済は今世紀末までに9%まで毎年落ち込むことになると報告した。また、気候変動に伴う洪水や灌漑、異常気象などの自然災害がこのペースに更に拍車をかける可能性もあると指摘している。

同報告書では、2050年までに南アジアの6か国(バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、スリランカ)のGDPは平均で1.8%減少し、2100年には8.8%減少すると予測した。地球の温度は2100年には4.6℃上昇すると予測されている。

国別にみると、2100年までにモルディブは12.6%、ネパールでは9.9%の経済的損失を受けると予測されている。また、バングラデシュは9.4%、インドは8.7%、ブータンは6.6%、スリランカは6.5%の経済的損失とそれぞれ見積もられており、いずれも深刻なダメージだ。

アジア開発銀行にてナレッジマネジメント兼サステナブル開発担当副社長を務めるBindu Lohani氏は「南アジア経済は深刻な脅威にさらされており、特に地方の山間部やデルタ地域では危機が迫っている。世界の国々は海水面上昇、水および食料不足、エネルギー不足、病気の蔓延などに対し、個別の対応ではなく力を合わせて対応しなければならない」と述べた。

また、もし現在の状況が続けば、現在から2100年までの間に南アジアでは少なくとも730億ドル、もしくは平均GDPの0.86%を支出する必要があると指摘したうえで、南アジアにおける気候変動の影響によるコストを最小限にとどめるための国際社会の協力の必要性が強調されている。

一方で、もしコペンハーゲン‐カンクン合意の下で世界各国が協力し、地球の温度上昇を2℃以下にとどめることができるならば、その後の南アジア経済は2050年時点で毎年1.3%の減少、2100年時点では2.5%の減少でとどめることができ、支出も406億ドルにとどまるとしている。

南アジアでの気温上昇は必至となっており、ほとんどの農業や漁業は悪影響を受けることが予測されている。報告書によれば、2080年にはネパールの山岳でコメの生産量が16%上昇するが、バングラデシュ、ブータン、インド、スリランカでは23%の生産量が減少する見込みだ。また、気候変動による変化は農業や漁業だけでとどまらず、エネルギーや水の供給が間に合わなくなり、更にデング熱や下痢の症状で苦しむ人が増えるとしている。

同報告書では、既に多くの南アジアの国々は気候変動対策のための基準を開発しているが、それらの基準は政府、民間セクター、市民社会らがしっかりと協働し、国家の発展の核となる計画となるべきだと指摘されている。

【レポートダウンロード】Assessing the Costs of Climate Change and Adaptation in South Asia
【企業サイト】アジア開発銀行

※写真提供:GOLFX / Shutterstock.com

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