タバコ製造大手のブリティッシュ・アメリカン・タバコは11月3日、最新のサステナビリティレポート”Supporting farmers' livelihoods: The opportunity”を発表した。同レポートは、同社に原料を供給しているタバコ農家の生活のサステナビリティ向上にスポットが当てられている。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコは現在10万を超える契約農家およびそれ以外のサプライヤーから年間40万トンのタバコの葉を仕入れている。同レポートでは、同社の事業にとってこれらのタバコ農家が果たしている役割が重要であることを強調した上で、タバコ農家の持続可能な生活の実現に向け、政府に対して農業政策上の意思決定における新たなアプローチを提案している。
同社がレポートの中で提案している5つの新たな原則は以下の通りだ。
Evidence-based:科学的根拠
市場力学や確実な調査・科学的証拠に基づいたものであること。
Holistic:ホリスティック
広範なアプローチを認め、タバコが複合的な農業システムの一部であることを理解し、重複を避けるため、既に進行中のイニシアティブを認識すること。
Respectful of livelihoods:農家の生活の尊重
農家や彼らのコミュニティを最優先し、どんな作物を栽培するかを決める自由を農家が持ち続けることを保証すること。
Inclusive:包括的
タバコのサプライチェーンに関わる全ての人を意思決定の機会に参加させること。また、タバコ業界が既に生産者コミュニティに対して行っている支援を制限しないこと。
Locally relevant:地域性の配慮
政治、経済、環境に関する地域性に配慮した上で、地域の意向や優先順位を尊重し、実践的でしっかりと機能する解決策を見出すこと。
また、同レポートでは、タバコ農家の持続可能な生活を支援するために焦点を当てるべき主要な領域として、「収入」「自然資源」「社会資本と社会資源」「技術と労働」「コミュニティネットワーク」の5つを取り上げ、詳しく解説している。
同社のCEOを務めるNicandro Durante氏は「タバコ農家は貴重なビジネスパートナーだ。彼らには自分たちの将来に自信を持ち、尊厳を持って繁栄してもらいたい」と語ると同時に、「これらの試みは、顧客を満足させるために製品の品位、品質を保証し、サプライチェーンを維持する上で欠かせない実践的かつ商業的なアプローチだ」と指摘した。
タバコ産業はSRI(社会的責任投資)の世界ではネガティブ・スクリーニングの対象になるなど、サステナビリティの推進と反する位置づけをされることも多いが、実際には途上国を中心にタバコ産業により生計を立てている農家やコミュニティが数多く存在しており、タバコに関する政策の立案にはより多角的な視点が求められる。同レポートは下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】Supporting farmers' livelihoods: The opportunity
【企業サイト】BRITISH AMERICAN TOBACCO
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