ヒスパニック市場が急拡大している米国では、市場ニーズに対応するために企業によるヒスパニック系人材の受け入れ、登用が進んでいる。
米国のヒスパニック系擁護団体The Hispanic Association on Corporate Responsibility(HACR)は12月4日、2014年度のHACR Corporate Inclusion Index(HACR CII)を発表した。
HACR CIIはFortune100の大企業やHACR会員企業の経営陣や社員におけるヒスパニックの割合や役割などを調査するものだ。2014年度の調査では対象企業の25%以上が2013年と比較して数値を改善しており、各企業でダイバーシティの推進とヒスパニックの受け入れが進んでいることが分かった。
2009年以降、HACR CIIは雇用、調達、慈善活動、ガバナンスの4分野に焦点をあて、米国企業におけるヒスパニックの受け入れ状況を調査してきた。現在ヒスパニックは米国で最も急成長している消費者層であり、その経済的貢献に見合う割合まで米国企業のヒスパニック受け入れを進めるのがHACRのミッションだ。
今回の調査から明らかになったことは以下の通りだ。
- 米国企業において、ヒスパニック系従業員は平均して約14%を占めている。
- ヒスパニックは依然として管理職層以外に多い傾向にある。
- 米国の企業のヒスパニック企業からの調達割合は約1%である。
- 2014年の対象企業が慈善活動に投じた平均寄付金額は81,634,125ドルだったのに対し、そのうちヒスパニック系団体、コミュニティへの平均寄付額は5,195,119ドルにしか達していない。
- 対象企業の経営陣におけるヒスパニックの割合は6%超であり、これはFortune500の平均よりも高いものの、依然として低い状況にある
HACR Research Instituteのディレクターを務めるLisette Garcia氏は「HACRの役員陣を代表して、我々は今年の全てのHACR CII対象企業のヒスパニック受入れに対するコミットメントを祝福している。これらの未来志向の企業は、自社の課題を特定するために、データや分析を用いることの重要性を理解しており、それが変革に向けた戦略的な計画を構築し、かつてないほど多様に変化している市場の需要に応えていくうえでの手助けとなっている」と語った。
米国国内においてヒスパニックの消費者市場が急拡大している今、この新たな市場で成功するためには、積極的に社内にヒスパニック人材を受け入れ、市場のニーズに合った製品やサービスを提供する体制を構築できるかどうかが鍵を握る。ヒスパニック・インクルージョンは米国企業にとって重要な成長戦略の一つとして位置づけられつつある。
HACRの2014年度インデックスは下記から確認可能。
【団体サイト】The Hispanic Association on Corporate Responsibility
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