消費財大手のユニリーバは1月28日、同社の抱えるグローバル工場ネットワークから埋立地へと送る廃棄物をゼロにする、という同社の主要なサステナビリティ目標を達成したと発表した。
今回ユニリーバは世界67カ国にまたがる240以上の工場という非常に大きな規模での廃棄物ゼロを実現することに世界で初めて成功した。この発表と時期を同じくして、同社はDow Jones Sustainability Index 2014(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス2014)への選出を基にして先日SRI格付会社のRobecoSAM社が発行した2015年度版のサステナビリティイヤーブックでもゴールドメダルを授与されている。埋立地への廃棄物ゼロという目標は同社のサステナビリティ戦略においてとても重要な地位を占める目標の一つだった。
同社によれば、廃棄物削減に向けた取り組みの中で、排出される廃棄物を有効活用する方法が様々に考え出されたという。例えばコートジボワールでは、廃棄物が低コスト建築の建材として使用され、インドでは有機性廃棄物を堆肥として地域での野菜栽培に使用されているとのことだ。また、同社のアジア最大の工場がある中国の安徽省では、廃棄物をレンガや敷石として使っているという。
また、同社は廃棄物の削減により2億ユーロのコスト削減、数百の新たな雇用を生み出すことにも成功した。さらに、エジプトでは製造ラインから出る廃棄物をリサイクルし、身体障害を持つ従業員が臨時収入を得られるプログラムなども実施されたという。
ユニリーバは以前から工場から廃棄物を出さないことには力を入れて取り組んできたが、「埋立地への廃棄物ゼロ」という目標が2012年にUnilever Sustainable Living Plan(ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン)目標に加えられて以降、「廃棄物ゼロ」という意識を従業員一人ひとりが常に持ち続けられるように、特に力を入れてきた。
「埋立地への廃棄物ゼロ」を達成すべく、同社は4つの「R」アプローチ、「生産拠点での廃棄物を減らす、無害な残存物を再利用、回復および再生する(Reduce、Reuse、Recover、Recycle)」というアプローチを取り入れており、この取り組みにより発送に使われる包材から従業員食堂からでる残飯まで、工場のオペレーション全てを見直すようになったという。
同社サプライチェーン責任者であるPier Luigi Sigismondi氏は「今回の目標達成は、我々の組織全体の意識改革の集大成であり、今後の継続的なビジネス成長を示すものだと言える。各従業員がそれぞれの持ち場で実に画期的な発想で廃棄物ゼロに取り組んできた。我が社がパートナー企業と共に目標を達成できたことを大変誇りに思う。しかし、これで終わりではない。『廃棄物ゼロ』の取り組みをさらに推し進め、サプライヤーや顧客と共に、『廃棄物ゼロ』のバリューチェーンを目指していく。この取り組みを更に広く展開することで、より持続可能な未来を作っていくことに尽力していく」と述べた。
サステナビリティ分野のリーディングカンパニーでもあるユニリーバがまた一つ大きな目標を実現した。グローバルサプライチェーン全体を通じた廃棄物削減の取り組みにより環境負荷を大幅に削減するのみならず、地域社会における雇用の増加やオペレーションコストの削減、従業員によるイノベーション促進など様々な成果を上げている点が同社のサステナビリティ戦略の優れている点だと言える。今後の活動に引き続き注目だ。
【リリース原文】Unilever achieves zero waste to landfill across global factory network
【企業サイト】Unilever
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