消費財大手のユニリーバは4月7日、森林破壊を食い止めるための活動の一環として木繊維に関する新たな調達方針を公表した。今後、同社はアイスクリーム用の木製スティックなども含む製品パッケージの多くを2015年末までにより持続可能な形で調達していく。
ユニリーバの目標は2020年までに木繊維が含まれる全ての素材を追跡可能かつ品質が保証され、製造元が確実に分かるものにすることだ。同社は2014年に持続可能な形で調達された紙や板の割合を前年の62%から87%にまで大きく増加させるなど、2015年末までに全ての紙・板パッケージを持続可能な形で調達するという目標に向かって着実に前進している。
この木繊維に関する新たな調達方針により、ユニリーバのサプライチェーンから生じる森林破壊への影響を抑制することが期待されている。また、これは従業員やそのコミュニティの生活を向上させることでサプライチェーン全体を通じて社会に良いインパクトを生み出すという同社のコミットメントを支える、Unilever Responsible Sourcing Policy(ユニリーバ責任調達方針)一部でもある。
また、ユニリーバはサプライチェーンを通じた森林破壊の抑制だけではなく、消費者からの反響も見込んでいる。同社が11か国で実施した調査によると、消費者の4分の3は、商品が持続可能な原料でできていると知った場合、より購買意欲が高まるとしている。また、ミレニアル世代の消費者は50代以上の消費者よりもサステナビリティに対して4倍以上も敏感だというニールセンの調査もあり、実際に現在世界全体では責任消費の市場規模は4000億米ドルに達している。
ユニリーバの最高サプライチェーン責任者を務めるPier Luigi Sigismondi氏は「森林破壊ゼロという我々の野心的な目標を達成し、開発途上国における豊かで持続可能な土地利用への移行を支援するために、我々はサプライヤーやNGO、政府などバリューチェーンに関わる全ての組織と協働する必要がある。」と語った。
また、同氏は「これを実践する事業上の理由は明確だ。新たな調達方針は将来に渡って持続可能な調達を確実なものにしてくれる。また、それは森林だけではなく、森林に依存して生活している人々にとっても良いニュースだ。森林破壊の抑制により年間少なくとも45億トンのCO2を削減し、同時に食糧の生産を持続可能な形で拡大し、人々の暮らしも改善しているのだ」と付け加えた。
サステナビリティ先進企業のユニリーバが、気候変動の原因として大きくクローズアップされている森林破壊の抑制に向けたサプライチェーンの改善にも本格的に取り組み始める。新たな調達方針の詳細は下記から確認可能。
【参考サイト】Sustainable Wood Fibre-Based Material Policy
【企業サイト】Unilever
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