【カナダ】サステナビリティ・ストーリーテリングの質を上げる4つのステップ 2015/05/06 最新ニュース

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 企業の透明性や情報開示に対するステークホルダーからの要求が日に日に高まりつつある現代において、自社のサステナビリティの取り組みを効果的にステークホルダーに伝えるための手法として注目が集まっているのが、ストーリーテリングだ。ストーリーテリングとは、伝えたいコンセプトや事実をストーリー(物語)として伝えることで、聞き手に内容を強く印象づける手法のことを指す。

 自社のサステナビリティ活動の意義や効果をステークホルダーに効果的に伝え、共感してもらうためには彼らの関心を惹きつけるストーリーが必要不可欠となっている。しかし、そうしたステークホルダーを惹きつけるコミュニケーションを実現するためには、一体どんな点に気を付ければよいのだろうか?

 この難しい問いに対して、サステナビリティ先進企業として知られるカナダの北米最大手製紙会社、ドムター社でサステナビリティ・コミュニケーションの責任者を務めるDan Persica氏が、英紙ガーディアンにて”Four steps to elevate your sustainability storytelling“と題し、サステナビリティに関するストーリーテリングの質を高めるためのとても参考になるアドバイスを提供している。

 同氏は、ドムター社が公開しているウェブサイト”The Paper Trail“を例に取りながら、4つのステップを紹介している。The Paper Trailは、同社の顧客が自身の購入する紙が環境、社会、経済に与えているインパクトを調べることできるツールで、同社および同社の製品の透明性を向上させる上でとても大きな役割を果たしている。

 最初のステップとしてPersica氏が主張しているのは「自社の強みと弱みの両方を伝える」という点だ。同氏は、昨今の消費者は賢く、彼らが最も嫌うのは信頼性のなさだとしている。消費者はその企業が改善に本気で取り組んでいるのか、ただ実績を宣伝しているだけなのかを見分けることができるため、ある分野で課題を抱えている場合、それを隠す、または触れないのではなく、その課題にどのように対応していくのかをしっかりと説明することが重要だとしている。

 次のステップとしてPersica氏は「情報はミクロレベルまで伝える」という点を挙げている。同氏は、会社全体の環境フットプリントをデータとして把握することは長期目標を達成し、ステークホルダーとコミュニケーションをする上でとても重要なことだが、もし企業がサステナビリティ専門家に対してではなく、一般の消費者に対して自社の取り組みを効果的に伝えたいのであれば、それだけでは不十分だという。なぜなら、一般の消費者が関心を持っているのは、自身が購入する製品が環境に与えているインパクトなど、よりミクロレベルの情報だからだ。

 同氏は、より情報をミクロかつシンプルにして伝えることが、ストーリーテリングをする上でとても重要だと主張する。実際にThe Paper Trailの場合、トラック1台分の紙の環境面の影響も表示している一方で、一般顧客にとってはより身近な、一連分の紙が環境面に与える影響についても表示しているという。

 3つ目のステップとして、Persica氏は情報を発信する際には環境面の成果だけではなく、それを実現している人々、つまり「自社の従業員にもスポットを当てる」ことが重要だという。ドムターでは、従業員がリサイクリングキャンペーンを立ち上げたり、学校でサステナビリティの授業をしたりすることで、地域社会に貢献している。同社はカナダと米国の約1万人の従業員を雇用しており、自社が地域社会にどのような影響をもたらしているかを開示することが、ストーリーテリングの重要な要素だとしている。

 最後のステップとして、同氏は「顧客が情報をカスタマイズできるようにすること」を上げている。ドムター社では、同社の顧客の多くが自社のアニュアルレポートを作成する際に同社の情報を必要としていることから、顧客が必要な情報だけを出力できる機能をつけたという。

 いかがだろうか。Persica氏が挙げている4つのステップはいずれもストーリーテリングの質を高めるうえで非常に重要な要素だ。せっかく優れたサステナビリティ活動を展開していたとしても、それを効果的にステークホルダーに伝えることができなければ、活動の意義は半減してしまう。サステナビリティ・コミュニケーションに携わる方はぜひ同氏のアドバイスを参考にして頂きたい。

【参考記事】Four steps to elevate your sustainability storytelling
【参考サイト】The Paper Trail
【企業サイト】Domtar

(株式会社ニューラル サステナビリティ研究所)

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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