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【ビジネス・サービス】マイクライメイトジャパン社インタビュー「カーボン・オフセットを通じた企業価値向上」 2015/05/27 事例を見る

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 経済活動だけでなく日常生活を行う上でも避けることのできないCO2の排出。気候変動リスク緩和のために動き出している企業が増えてきています。しかしながら、削減コストなどの観点から企業内で削減できる温室効果ガスには限界があるため、海外など自社外での活動への投資を通して温室効果ガス削減に貢献するカーボン・オフセットという考え方が広まってきています。

 カーボン・オフセットを行いたい先進国企業・自治体・個人と、CO2を削減・吸収できる途上国・地方のマッチングを行い、世界の温室効果ガス排出量削減に貢献している企業、それがマイクライメイトです。今回はマイクライメイトの日本におけるメンバーファーム、マイクライメイトジャパン代表取締役社長の服部倫康氏にお話を伺ってきました。

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服部倫康(はっとり・ともみち)

マイクライメイトジャパン代表取締役社長

名古屋大学卒業。アクセンチュア、リクルートエージェントを経て、株式会社エコノス(現マイクライメイトジャパン株式会社)に入社。2013年より同社代表取締役社長に就任。

マイクライメイトジャパンが提供するサービス

 スイス連邦工科大学(ETH)の事業からスピンアウトしたNPOを源流とするマイクライメイトジャパンはグローバル・ネットワークを活かして得た最新のノウハウおよび国内のクレジット創出支援の経験を基に体系化した知識を活用して、温暖化対策を実施している様々な規模の企業、自治体、政府機関、個人に対し、クレジット創出から活用までCO2に関わる業務を一気通貫して対応しています。

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(ニューラル作成)

ゴールドスタンダードの認証を受けたクレジット創出

 マイクライメイトはカーボン・オフセットで預かった代金のうち、80%以上の資金を地域に還元することをポリシーに、カーボン・オフセットの取り組みを通じて各プレイヤーがベネフィットを得られる仕組みを構築しており、創出されるカーボン・オフセットクレジットは現地貢献性の高いゴールドスタンダードを中心としています。

 ゴールドスタンダードとは、 CDM (クリーン開発メカニズム)や JI (共同実施)プロジェクトの「質」の高さを保証する認証基準です。
この認証は京都議定書の中で導入されたCDMの目的である

  • 温室効果ガス削減に寄与すること
  • ホスト国の持続可能な発展に貢献すること

の2つが確実に達成され本当の意味で環境保全上の利益を生み出すことを支援するために作られています。

 ゴールドスタンダードの認証を得るためには、通常のPDD(プロジェクト・デザイン・ドキュメント)に加えて、ゴールド・スタンダード・パスポートという文書を提出し、それを基にした運営機関(OE)による有効性等の審査に通る必要があります。

 つまり、マイクライメイトはCDMの目的である「温室効果ガス削減」や「ホスト国の持続可能な発展に貢献する」を達成するプロジェクトの企画立案、もしくは途上国現地から要請されたプロジェクトの事業性を精査し、質の高いクレジットを創出した上でオフセットを行いたい先進国企業とのマッチングができるということです。

プロジェクト運用にかけるコスト

途上国現地でのプロジェクトの開発・運用に関してはマイクライメイトが受け持つため、カーボン・オフセットを行うにあたり、先進国企業側が多く人員を割かなければならないといったような事態にはなりません。

排出権取引ではなくカーボン・オフセットをメインに

マイクライメイトジャパンは中国国外の企業として初めて、中国の排出権取引サービス提供の認可がおりた企業でもあります。そのため中国においては排出権取引サービスも提供しているものの、主軸としてはカーボン・オフセット事業に置いているといいます。

カーボン・オフセットの動向

 CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の広がりにより、機関投資家からの温室効果ガス排出量や環境戦略の公表要求を受け、企業側もカーボン・オフセットへの関心を高めてきています。また日本においても、カーボン・オフセットを通じた商品PRにより収益が上がることもわかってきており、企業が身を削るような社会貢献的観点ではなくマーケティング的な観点での機能が実証されつつあるといいます。現状、カーボン・オフセット自体の認知度が高くないことが課題であるものの、将来的な市場性に期待が寄せられます。

【企業サイト】マイクライメイトジャパン

著者プロフィール

菊池尚人

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所研究員

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