世界中で深刻化する森林破壊の撲滅に向けて、世界を代表する環境保護団体と大手消費財メーカーがタッグを組んで動き出す。WWF(世界自然保護基金)とユニリーバは7月7日、気候変動の主要因の一つでもある森林破壊の抑制および森林保全に向けて1年間のパートナーシップを締結すると発表した。
現在世界では毎年英国と同じ面積の森林が失われており、地球上の温室効果ガス排出の5分の1が森林破壊により引き起こされている。WWFとユニリーバは今年の12月にパリで開催予定の気候変動会議に合わせて森林破壊の問題を消費者に訴えかけるキャンペーンを展開し、消費者らが声を上げ、具体的な行動を起こすための方法を提示する予定だ。
また、両者は今回のパートナーシップによるプログラムの一環としてブラジルとインドネシアの100万本の木を保護する森林保護プログラムを実施する。この2カ国は世界で最も森林破壊が進んでおり、同時に世界最大面積の原生林が残っている地域でもある。
WWFの事務局長を務めるMarco Lambertini氏は「今回のユニリーバとのパートナーシップは、多くの消費者が森林と気候変動問題に関わりを持ち、日々の生活の中でよりよい変化を起こす機会となる」と語り、今後の取り組みに期待感を示した。
また、ユニリーバのCEOを務めるPaul Polman氏は「森林破壊の抑止は気候変動対策における喫緊の最優先事項だ。森林は海洋に次ぐ世界最大の炭素貯蔵庫であり、地球上の80%の陸生生態系の生物多様性を支えている。企業として、サステナビリティを実践し、消費者の持続可能な暮らしを支援する行動を起こすことはとても重要だ。長期的な取り組みは道義的な責務であり企業としての責任でもある」と語った。
WWFとユニリーバの協働の歴史は1990年代にまで遡る。両者は1997年に海洋資源の保全を目指してMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)を設立して以来、ともにサステナビリティ分野のオピニオンリーダーとしてそれぞれの立場から世界をリードする取り組みを展開してきた。今回の提携がパリの気候変動会議に向けてどんなキャンペーンを生み出すのか。今後の両者の取り組みに注目が集まる。
【参照リリース】WWF and Unilever announce partnership to inspire consumers and help protect a million trees
【企業サイト】Unilever
【団体サイト】WWF
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