米フェイスブックは11月18日、NPO向けのファンドレイジング支援ツール、"fundraisers"の試験運用および、2013年に立ち上げた”Donate(寄付)”ボタンの改善を発表した。
fundraisersはNPOが特定の募金キャンペーン専用に開設できるページで、他のクラウドファンディングサイトと同様、キャンペーンのストーリー共有や支援者集め、目標金額や到達状況の可視化などができるようになっている。
今回の改善の一番ポイントは、寄付しようと思ったユーザーがフェイスブックから離脱することなく、fundraisersのページから直接寄付をできる仕様になっている点だ。ユーザーはキャンペーンページから数クリックで寄付をすることができ、寄付したことを友人にシェアすることもできる。また、シェアされる全ての記事にも寄付ボタンがついており、その投稿を見た他の人々もニュースフィードから直接キャンペーンに参加し、寄付ができるという仕組みだ。
フェイスブックによると、現在fundraiserはMercy Corps、National Multiple Sclerosis Society、World Wildlife Fund(世界自然保護基金)ら37の提携団体によって試験運用されており、将来的に他の団体へと拡大予定とのことだ。まもなく米国の501条C項3号規定に基づき税制優遇を受けているNPOは利用可能になるという。
多くのNPOにとってフェイスブックは支援者や資金集めのための主要なプラットフォームとして活用されてきたが、このfundraisersが導入されればユーザーはより簡単に自分の関心のあるキャンペーンに寄付できるようになり、NPOにとっては一気にファンドレイジングのハードルが下がる可能性がある。また、それらの寄付行動がシェアを通じて広まるという点も大きなメリットになりそうだ。現状米国外への展開については不明だが、今後日本でも同様の機能が使えるようになることを期待したい。
【参照リリース】Introducing New Tools for Nonprofits 【企業サイト】Facebook
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