米生保大手のメットライフは11月10日、2016年末までに米国の保険会社として初めてカーボン・ニュートラルを達成見込みだと公表した。メットライフは、このカーボン・ニュートラルの達成はただ単にカーボン・オフセットの購入による見かけ上の排出量削減ではなく、実際のエネルギー使用量削減による温室効果ガス排出量削減を通じて達成されるものであることを強調している。加えて、メットライフは今後主要サプライヤーに対しても温室効果ガス排出量及び削減状況を公に情報開示するよう求めていくことを初めて発表した。
メットライフは新たなコミットメントとして、2016年中にカーボン・ニュートラルを達成したうえで、さらに取り組みを前進させることを公言している。なお、同目標には同社が保有する施設や車両などからの排出(スコープ1、2)にとどまらず、従業員の出張に伴う排出(スコープ3)までが含まれる。
また、2020年までにグローバル全体の自社保有及びリース設備における全エネルギー消費量を2012年比で10%削減するほか、2020年までに温室効果ガス排出量も2020年比で10%削減を目指す。そして同じく2020年までに、同社のトップサプライヤー100社に対しても温室効果ガス排出量及び削減状況の情報開示を求めていく予定だ。
同社はこれまでにも業界の競合他社に先駆けて積極的に環境負荷削減に取り組んできた。2005年以降、米国で所有する施設のエネルギー消費量を25%削減したほか、現在メットライフが所有・管理している米国内のオフィスの100%が米環境保護庁のエネルギースター認証を受けており、50%以上がグリーンビルディング認証のLEED認証を受けている。現在同社が保有するLEED認証済み施設は世界全体で17に及んでいる。
なお、同社はグリーン投資にも積極的に取り組んでおり、現在46のLEED認証済不動産のエクイティを保有しているほか、2003年以降、再生可能エネルギープロジェクトに29億米ドルを投資している。現在では25以上の風力・太陽光発電所の株主を保有している。
生命保険のような長期の金融商品を取り扱う同社にとって、自社のサステナビリティは顧客からの信頼を得る上で欠かせない要素となる。そして自社のサステナビリティを確保するためには、その前提となる社会や環境のサステナビリティを高めることが求められる。米国の生保業界を牽引する存在として更なる取り組みに期待がかかる。
【参照リリース】METLIFE IS FIRST U.S. INSURER TO ADOPT CARBON NEUTRALITY
【企業サイト】MetLife
(※Felix Lipov / Shutterstock.com)
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