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【フランス】COP21、「パリ協定」を採択して閉幕。途上国も含む国際合意が実現 2015/12/14 最新ニュース

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 フランスのパリで開催されていた気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)は12月13日、195ヶ国が2020年以降の気候変動に関する国際枠組み「パリ協定」を採択し、閉幕した。気候変動に関する国際合意は京都議定書以来約18年ぶりとなり、途上国も含めた全ての国が参加する協定としては今回が初めてとなる。世界全体の気候変動対策の方針を決定づける歴史的な転換点となった。

 今回のパリ協定では、温室効果ガス排出削減による気候変動緩和、各国が説明責任を伴う透明性の高いシステム、気候変動による悪影響を抑えるための気候変動適応、開発途上国への財政支援、各国による気候変動目標の継続的な提出義務など、世界の気候変動対策を前に進める上で必要不可欠となる全ての分野を網羅した合意が実現した。

 今後、世界各国は地球の気温上昇を産業革命以前と比較して2度未満に抑えることを目標に取り組み、さらに1.5度未満というより厳しい目標に向けた努力を求められることになる。パリ協定では各国の温室効果ガス排出削減目標自体は明記されていないものの、途上国も含めた全ての国が自主的に削減目標およびその達成方法を決定し、5年ごとに国連に目標(NDCs:Nationally Determined Contributions)を提出することが義務づけられた。

 2018年には現時点での提案内容に対する進捗状況がチェックされ、2023年からは世界全体における棚卸がスタートし、目標達成に向けた進捗状況が評価されることになる。各国は5年ごとに削減目標をより高く設定することが求められる。

 また、パリ協定の採択において最大の争点となっていた先進国から途上国への資金支援については、先進国らは2020年までに途上国への支援額を1000億米ドルまで引き上げるためのロードマップを策定し、2025年までに少なくとも年間1000億米ドルの資金援助目標を設定することが決まった。今後、先進国には2年に1度、資金の拠出状況の報告が義務づけられる。

 今回のパリ協定には違反国を罰する強制力はなく、協定の発効には世界全体の温室効果ガス排出量のうち55%を占める55カ国以上の批准が必要となる。Mother Earth Dayの2016年4月22日に署名式典が行われ、その後1年間署名が受け付けられる予定だ。

 フランスのFrancois Hollande大統領は今回のパリ協定の合意に際し、「あなた方はついに野心的で拘束力がある国際的な合意に至った。COP21には感謝の意を示しきれない。あなた方は子供や孫の前で誇ることができる」と語り、喜びを示した。

 また、国連事務総長のBan Ki-moon氏は「我々は人類が直面した中でも最も複雑な課題の一つに対し、世界が協働する新しい時代に突入した。初めて、世界のあらゆる国々が排出量を低減し、レジリエンスを強化し、共通の気候変動アクションを起こすための共通の大義に向けて力を合わせることを誓約した。これは多国間主義の目覚ましい成功だ」と語った。

 当初の予想通り先進国と途上国との間で資金支援をめぐる議論が難航し、会期の延長が余儀なくされたCOP21だが、最終的には「Sustainable Development(持続可能な開発)」という言葉にある通り、地球全体の「サステナビリティ」と途上国の経済発展に向けた「開発」という2つのジレンマを単なる妥協ではなく高次に擦り合わせる形で歴史上大きな一歩となる合意が実現した。

 短期的には利害が相反するかに見える先進国と途上国も、長期的に見れば地球という一つの惑星の下で利害を共にする同志だ。互いが両者の存在なくしてはサステナビリティも経済成長も担保できない状況で、唯一求められていたのは対立ではなく連携だ。京都議定書では排出削減義務は先進国だけに課されるものだったが、今回初めて途上国も含めた枠組みが実現した意義は大きい。

 パリ協定では気候変動に向けた取り組みは各国の自主性に委ねられている部分も多いものの、COP21では最終的に合意に向けて188ヶ国が自国の気候変動行動計画を提出したことを考えれば、既に世界中の国々が地球の気温上昇を2℃未満に抑えるという共通の目標達成に向けて自らの責任を認識しており、義務かどうかに関わらず自主的に取り組んでいく意志を持っていることが分かる。

 今回のパリ協定はまだ始まりに過ぎず、本当の真価が問われるのはこれからだ。この合意が本当の意味で歴史的転換点となるかどうかは、我々一人一人のこれからの行動にかかっている。

【決議文書ダウンロード】Adoption of the Paris Agreement. Proposal by the President.
【参照リリース】Historic Paris Agreement on Climate Change 195 Nations Set Path to Keep Temperature Rise Well Below 2 Degrees Celsius

(※写真提供:Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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