【南アフリカ】IBMとヨハネスブルグ市、IoTを活用して大気質の改善へ 2016/01/01 最新ニュース

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 IBMは12月10日、南アフリカの首都ヨハネスブルグ市およびCouncil for Scientific and Industrial Research(以下、CSIR)と、同市の空気質改善計画の支援を目的とする先進技術の活用に向けて協働することで合意したと発表した。

 今後、IBMはヨハネスブルグ市との協働のもと、同社のコグニティブ・コンピューティング基盤とつながったIoT(Internet of Things)技術を活用し、ヨハネスブルグ市の空気質改善および市民の健康を守るための洞察やアドバイスを提供していく。「コグニティブ・コンピューティング」とはコンピュータが自ら学習し、考え、膨大なデータを瞬時に分析することができる人工知能システムのことを指し、現在IBMが注力しているコア技術となる。なお、IBMは2015年1月に南アフリカの科学技術研究機関、CSIRともCollaboration Framework Agreementを締結しており、今回のプロジェクトではCSIRとも協働する。

 具体的には、IBM南アフリカのリサーチャーらが市政府やCSIRの専門家らと密接に連携しながら、ヨハネスブルグ市内に設置した環境モニタリング装置から過去およびリアルタイムデータを収集・分析し、大気汚染の原因などを調査する。そしてプロジェクトの第二段階では、積極的な大気質管理を可能にし、よりよい意思決定や計画立案を行うための正確な大気汚染予測などへと取り組みを拡大する予定だ。

 現在ヨハネスブルグ市は南アフリカの経済のハブとして同国全体のGDPの17%を生み出す主要な経済都市に発展しているが、一方で約450万人の人口の移動に伴う排気ガスによる大気汚染が深刻化している。この問題解決に向け、同市は大気汚染リスクを低下させ、環境や市民の健康を守るための方策としてCSIR と協働しながらAir Quality Management Plan(大気質管理計画)を展開してきた。

 IBM南アフリカ・リサーチラボのディレクターを務めるSolomon Assefa氏は「大気汚染は今や世界最大の環境健康リスクとなっている。ヨハネスブルグはまだ世界のメガシティほどの大気質問題は抱えていないものの、継続的な経済成長や人口増加を考えれば、市政府は都市や市民の将来の健康を守るための行動を今起こさなければならない。Internet of Thingsとコグニティブ・コンピューティングの力を合わせることで、大気質の把握・管理・予測は技術面においても経済面においてもかつてないほどにやりやすくなってきている」と語った。

 今回のIBMとヨハネスブルグ市の協働は、IoTやコグニティブ・コンピューティングといた企業のコア技術を活用して地域社会の課題解決を試みる優れた官民協働事例の一つだと言える。ヨハネスブルグでの取り組みが成功につながれば、同様に急速な経済成長に伴う大気汚染や環境問題に悩まされている他都市への展開も可能となる。今後のプロジェクトの成果に期待がかかる。

【参照リリース】IBM Brings Green Horizons to South Africa with Johannesburg Clean Air Project
【企業サイト】IBM

(※写真提供:View Apart / Shutterstock.com

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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