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【国際】世界グリーンビルディング協会、ネットゼロを目指す新プロジェクト開始

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 世界各国のグリーンビルディング協会(GBC)の統括組織である、世界グリーンビルディング協会(WorldGBC)(2002年設立、本部:カナダ・トロント)は6月28日、パリ協定の実現に向けた気候変動対策として、2050年までに全ての建物を「ネットゼロ」にするための新たなプロジェクトを開始した。同協会が定義する「ネットゼロ」には、「ネットゼロ・エネルギー」と「ネットゼロ・カーボン」の2種類がある。ネットゼロ・エネルギーでは、建物に利用する電気エネルギーを建物上で再生可能エネルギーを用いた自家発電で賄うもの。ネットゼロ・カーボンは、各国により厳密な定義は異なるが、年間で温室効果ガスの純排出量をゼロにするというのが基本的な考え方で、カーボンオフセットなどによるものもこれに含まれる。

 「ネットゼロ」を目指すためのプロジェクトの柱は、同協会に加盟している各国のグリーンビルディング協会に対し、各国内で建物に付与する「ネットゼロ」認証を設立することや、グリーンビルディングの専門家らに対し研修の機会を提供していくこと。認証については、「グリーンスター」など既存の認証を応用する形で設けてもよい。

 同協会には現在世界74のグリーンビルディング協会が加盟しているが、「ネットゼロ」プロジェクトの初期メンバーとして参加を表明した団体は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、オランダ、南アフリカ、スウェーデンの8ヶ国のグリーンビルディング協会。その他、温室効果ガス削減活動実施している環境NGO。Architecture 2030もリードパートナーとして参加し、技術的な専門知識を提供する。日本の一般社団法人日本サステナブル建築協会(JSBC)も協会加盟団体だが、今回の取り組みの初期メンバーには加わっていない。

 同協会のTerri Wills代表は、今回の取り組みの背景について、パリ協定で掲げた目標を達成するには建築・不動産業界の貢献が不可欠だという認識を示した。同協会は、加盟団体とともに昨年のパリ会議の場で、「ネットゼロエネルギービル導入・大規模リノベーションを通じ、2050年までに84Gtの二酸化炭素排出量を削減する」と目標を掲げている。74ある協会の加盟団体に参加している企業数の合計は約27,000社あり、このネットワークを通じて、ネットゼロ・ビルディングを一気に増やしていきたい考えだ。

 今回のネットゼロ・プロジェクトでは、長期目標も掲げており、

  • 2030年までに、新築・リノベーション建物をネットゼロにする
  • 2050年までに、全ての建物をネットゼロにする
  • 2030年までに、7万5千人、2050年までに30万人のグリーンビルディング専門家を育成する
  • 2030年までに、全加盟グリーンビルディング協会がネットゼロを実現するための体制を整える

 協会は、認証や研修以外にも、他の民間企業や政府に対して、ネットゼロを目指す目標を掲げるよう働きかけていく。 

【参照ページ】WorldGBC launches groundbreaking project to ensure all buildings are “net zero” by 2050
【機関サイト】World Green Building Council

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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