今日、フランスが2015年7月22日に制定した「エネルギー転換法(Energy Transition for Green Growth Act)[日本ではエネルギー移行法とも呼称されています]」が世界から大きく注目されています。この法律には、フランスを低炭素国家に変えていくための内容が数多く規定されています。制定時にとりわけ大きく報道されたのが、原子力発電割合の大幅削減です。フランスは世界の原子力発電大国で、現在電力の75%を原子力発電で発電しています。エネルギー転換法ではこれを2025年までに50%にまで引き下げることを決定しました。原子力発電大国の急速なエネルギー政策転換は、ヨーロッパだけでなく、世界中から大きく注目されています。
エネルギー転換法が画期的であるのは、この原子力割合の削減だけに留まりません。食品廃棄物に関する内容、不動産の環境規制に関する内容、企業や金融機関の気候変動関連情報開示の義務化に関する内容など、法律の全文は8章215条に及び、エネルギーや資源に関する広範囲の内容を盛り込んでいます。この記事を執筆している2016年9月にも、…