【イギリス】労働裁判所、ウーバーのドライバーを従業員であると認める判決。ウーバー社の敗訴 2016/11/16 最新ニュース

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 タクシー配車アプリ世界大手の米ウーバーが、タクシードライバーを従業員ではなく、独立事業者と扱って来たことが係争されていた案件で、ロンドンにある雇用審判所(裁判所)は10月28日、タクシードライバーは独立事業者ではなく、ウーバーの従業員だとの判決を下した。この判決により、ウーバーの運転手はウーバーの従業員として、英国の最低賃金、有給休暇等の権利を有することになる。英国労働組合(GMP)は、イングランドとウェールズのウーバードライバー4万人にとって歴史的な勝利だと表明。一方、ウーバーは不服とし、雇用控訴審判所に控訴する考え。

【参考】連邦地裁、ウーバーとドライバー間での和解合意を却下。従業員処遇を巡る裁判で

 ウーバーは、小規模事業者を囲い込むプラットフォームを新たなビジネスモデルと位置づけ、今回の裁判でもそのように主張したが、雇用審判書は「フィクションであり、言葉のこじつけであり、斬新な新語ですらある」と却下。さらに判決は「ロンドンにあるウーバーは、共通プラットフォームを通じて3万もの小規模事業者のモザイク集合体にすぎないという考え方は、我々にとって笑止千万だ」とウーバーに対し非常に厳しい見方を示した。

 英国の雇用審判所は、1964年に設立された労働分野の正式な裁判所。かつては労働審判所と呼ばれた時期もあった。雇用審判所は、イングランド、ウエールズ、スコットランドの各地に複数の裁判所が置かれている。英国ではイングランド及びウェールズと、スコットランドが異なる法律体系を採っているため、イングランド及びウェールズとスコットランドが独立した雇用審判所運営を行っており、雇用控訴審判所もイングランド及びウェールズの案件はロンドンで、スコットランドの案件はエジンバラの裁判所が扱う。雇用控訴審判所の判決にも不服の場合は、制度上は上級裁判所である控訴院や、さらに特別に認められれば最高裁判所に上告することも可能だが、ほとんどの事件は雇用控訴審判所までで決着する。

 ウーバーは判決後のコメントの中で、ウーバーのタクシードライバーは柔軟な働き方を求め、自ら独立自営業者である道を選んでいる、と反論している。しかし原告であるドライバーは、行動の自由はウーバーによって管理されており、会社に雇用されているのも同然だと訴えている。判決を受け、与野党の国会議員からも、ウーバーは労働法を遵守し、ビジネスモデルを再考すべきだという考えが出ている。

 昨今、単発業務をプラットフォーム化するギグ・エコノミーが普及してきている一方で、不安定で低い収入を懸念する声も多い。同判決の影響はウーバー全体にとどまらず、ギグ・エコノミーの他の企業にも広がりそうだ。

【参考ページ】Uber drivers win key employment case
【参考ページ】Uber Drivers Win Key Employment Case In The U.K.
【参考ページ】Uber will have to give holidays, basic employment rights to UK drivers

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